銀行の事業融資

笑顔のビジネスウーマン
企業の多くが資金調達時に銀行融資(プロパーローン)を活用しております。
融資を受けるにはどのようなハードルをクリアする必要があるのか、各社の金利等と併せてご紹介していきたいと思います。

銀行プロパーローンとは

一般的に、プロパーローンは各銀行が独自に設定する融資のことを指します。
似て非なるものに「アパートローン」と呼ばれる商品がありますが、こちらは既にパッケージ化(金利や期間があらかじめ定められていること)されているのに対し、プロパーローンは各々のケースで条件が異なるという特徴があります。(例えば、アパートローンは年利が7%に対し、プロパーローンは5%といった形です。)
また、アパートローンは個人向けなのに対し、プロパーローンは完全に事業者(法人)向けという違いもあります。

両者の用途

原則として、共に使途に制限はありません。
一般的には、アパートローンは主に個人の不動産投資等で用いられ、事業用資金としてはプロパーローンが使われるケースがほとんどです。

つまり、アパートローンは個人・プロパーローンは法人といった形で使われることが多く、法人は両方の条件を確認してから選択出来るということになります。
もちろん、個人であっても、事業規模を持った形で不動産投資等を営んでいる場合はプロパーローンが適用されるケースもあります。

メリット・デメリット

プロパーローンは言うなればオーダーメイド型の融資で、企業各々の事業成績や資産状況によって条件が大きく変動します。
例えば、融資を求める理由が「業績が良く、さらなる売上アップを図るために設備投資をしたい」等であれば長期間かつ低金利での融資が認められる可能性が高いでしょう。

一方で業績が悪化したことに伴う資金繰りですと、高金利はおろか貸してさえしてくれない可能性もあり、酷いと早期返済(貸しはがし)を迫られるケースもあるようです。
また、プロパーローンは各々の状況によって判断される融資になりますので、担当者の裁量が非常に強く、折が合わず融資に至らなかったというケースも珍しくありません。

審査が厳しい

プロパーローンは、銀行が扱う他の商品(アパートローンやカードローン)とは違い、保証会社を通さず自社の責任で貸し出します。
そのため、審査が非常に厳しく、少しでも業績が悪いと融資をしてもらえない可能性がグッと高くなります。

また、申し込み時の資産状況も審査の上で非常に重要です。
大手企業の場合は多少の赤字であれば、過去の利益(内部留保)や不動産の売却等で凌ぐことが可能ですが、資産を持たない小規模事業者は赤字が即倒産に繋がるためです。
つまり、資産が多ければ多いほど審査が有利となり、少ない又は無い場合は余程の売上が見込めない限り融資は難しいでしょう。

カードローンとの比較

大まかではありますが、銀行カードローンとプロパーローンの金利・借入期間等の各種条件を比較すると以下の通りとなります。

カードローン プロパーローン
金利 10~15% 3%前後
借入期間 短期 長期
審査 緩い 厳しい
融資対象 個人 法人
審査時間 1週間程度 1~2か月

御覧の通り、金利については非常に好条件であるものの、審査の厳しさや要する時間は圧倒的にプロパーローンが不利となります。
ただし、10年を超えるような長期の借入金にも対応しておりますので、安定的な経営を求めるのであればプロパーローンは最適です。
なお、審査については「貸借対照表」「損益計算書」「事業計画書」等が必要になりますので、事前に顧問税理士に相談する必要があるでしょう。

複数の銀行と交渉を

たとえメガバンクで断られてしまっても諦めてはいけません。
プロパーローンは、メガバンクだけが取り扱っている訳ではなく、地方銀行・信用金庫・信用組合等でも取り扱っています。

これらの金融機関は地域密着型であったり、特定の事業を優遇していたりと、メガバンクとはまた違った審査を行っています。
つまり、事業内容や地域次第ではプロパーローンでの融資を勝ち取ることも可能なのです。
出来るだけ多くの金融機関と交渉し、好条件を勝ち取りましょう。

初心者マークを持つオペレーター
好条件の「プロパーローン」ですが、利用するには多くのハードルを越えねばなりません。
フットワーク重視又は融資決定までのつなぎであればカードローン・安定的な経営を目指すのであればプロパーローンといった形で使い分けるのが良いでしょう。
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監修者情報
木村 秀幸
ファイナンシャルプランナー2級・宅地建物取引士・行政書士・商簿記2級保持者。士業系事務所勤務の経験を活かし、数多くの金融系サイトの監修・執筆を手掛けた実績を持つ。