銀行と保証会社の関係について

黒板の前に立つ女性
銀行カードローンの契約時には必ず保証会社の審査があります。
保証会社の役割や必要性についてまとめましたので、是非ご参考ください。

保証会社とは

保証会社とは、ローンを契約した人が何かしらの理由で返済できなかった場合、その人の代わりにお金を返す(代位弁済する)機関のことをいいます。
契約はお金を借りる人と保証会社間で行いますので、銀行カードローンを契約する際は銀行との間で金銭消費貸借契約・保証会社との間で保証契約を締結しなければなりません。
なぜそのような面倒なことをしなければならないかと言いますと、保証会社への加入は銀行にとって以下のようなメリットがあるためです。

メリット1~二重の審査が行える

銀行は、割賦販売法に基づく指定信用情報機関(日本信用情報機構やCIC等)に対し、利用者の消費者金融系の信用情報を照会することができません。

代わりに「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」に登録された信用情報を確認することができますが、日本情報機構(JICC)やCICとは記載事項が以下の通り異なります。

全銀協
(KSC)
日本信用情報機構
(JICC)
シー・アイ・シー
(CIC)
属性・申込情報等 記載される(共通事項)
事故情報 5年記載 1年記載 5年記載
任意整理 記載せず 5年記載 記載せず
個人再生 10年記載 記載せず 記載せず
自己破産 10年記載 5年記載 5年記載

例えば、支払いの遅延等(所謂「カード事故」)があった場合、JICCですと完済から1年間のみ同情報が記載されますが、KSCやCICでは5年間記載されます。
また、任意整理や個人再生など、信用情報機関によっては記載されない事項も存在しており、全てを網羅するためには全ての信用情報を取得せねばなりません。
したがって、保証会社と提携することで、銀行はこれらの情報を間接的に知ることが出来るようになります。

メリット2~役割分担が明確になる

万が一支払いが滞った場合、保証会社は借主(ユーザー)に代わって貸主(銀行)へとお金を返済します。
これを代位弁済といい、これにより債権者が保証会社へと移り、ユーザーはその後保証会社にお金を返していくことになります。

つまり、保証会社を通すことで銀行側は債権回収と利用者募集という役割をはっきりと分担することができ、業務をスムーズに遂行することが可能です
また、債務不履行があっても貸し倒れにはなりませんので、安定した業績を残すことが出来るという利点もあります。

保証会社には入らなければならない?

銀行側に大きなメリットがある「保証システム」ですが、利用者にとっては保証料が別途掛かったり、申し込みが煩雑になってしまったりといったデメリットがあります。
しかしながら、銀行カードローンの場合は保証会社を通さねば契約することが出来ず、利用条件の1つに“保証会社の審査を経ること”と記載する銀行も多いです。

前述したメリットがある他、銀行は自主規制によって貸し出し要件を厳しくしている状況にありますので、キャパシティを超えた利用は絶対にさせないという方針が背景にあるようです。

保証会社は分散するべき?

なお、主要の銀行カードローンは、以下の保証会社と提携を結んでいます。

銀行名 保証会社
三菱UFJ銀行
ソニー銀行
じぶん銀行
セブン銀行
アコム株式会社
みずほ銀行 オリエントコーポレーション
三井住友銀行
住信SBIネット銀行
SMBCコンシューマーファイナンス
りそな銀行
オリックス銀行
オリックス・クレジット株式会社
東京スター銀行 新生フィナンシャル株式会社
楽天銀行 楽天カード株式会社

保証会社は自社の子会社であることもあるのですが、最近では専門機関に依頼するケースが多くなっています。
そこで注意したいのが、契約しようとしている銀行の保証会社が別の銀行の保証業務も行っているケースです。
上記の表を見ますと、例えば「アコム株式会社」は三菱UFJ銀行をはじめ、ソニー銀行やじぶん銀行といった複数の銀行の保証業務を担っていることが分かります。

審査は原則として信用情報を基に行われますが、銀行独自の審査基準も設けております。
仮に信用情報に傷が無くとも、同じ保証会社の銀行の組み合わせ(例えば「三菱UFJ銀行とセブン銀行」など)は良い評価を受けない可能性が高いです。
また、これを理由とした審査落ちの他、申込みを3社以上同時に行うとしばらくの間ブラック扱い(所謂「申込ブラック」)となりますのでご注意ください。

レッドカードを出す女性
信用情報に問題が無いのにも拘わらず審査に落ちてしまった場合は申し込んだ銀行が同じ保証会社を利用している可能性があります。
複数のカードローンを申し込む際は、別の保証会社を利用している銀行を選ぶようにしましょう。
また、申込みを一度に複数社に行うとブラックになる恐れがありますので、必ず時間を空けてから行うようにしてください。
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監修者情報
木村 秀幸
ファイナンシャルプランナー2級・宅地建物取引士・行政書士・商簿記2級保持者。士業系事務所勤務の経験を活かし、数多くの金融系サイトの監修・執筆を手掛けた実績を持つ。