ビジネスローンとは

ファイルを持つオフィスレディ
銀行や消費者金融でよく目にする「ビジネスローン」ですが、こちらはどのような商品になるのでしょうか。
銀行・消費者金融で条件はどのように異なるのか、サービスの違い等について解説したいと思います。

ビジネスローンの特徴

ビジネスローン又は事業者ローンは、文字通り事業を行う企業向けの融資です。
性質としては銀行のプロパーローンに似ておりますが、プロパーローンはパッケージ化されていない商品なのに対し、ビジネスローンは予め条件が定められているという点で異なります。
さらに、ビジネスローンはプロパーローンと以下でも違いが見られます。

ネットからの申し込みが可能

前述した通り、プロパーローンはパッケージ化されていない金融商品であるため、企業側と銀行側の担当者が対面で何度もすり合わせた上で契約に至るケースがほとんどです。
一方で、ビジネスローンの場合インターネットからの申し込みを受け付けている消費者金融・ネット銀行が多く存在しており、スピード面では大変優れていると言えます。
なお、審査については1~2週間ほど掛かるケースが多い印象ですが、それでもプロパーローンに比べると遥かにスピーディーであると言ってよいでしょう。

総量規制について

ビジネスローンは原則として法人向けの融資になりますので、総量規制の対象とはならず、年収に対する上限はありません。(ただし、個人事業主の場合は契約者が法人ではなく代表者個人となるため、総量規制の対象となります。)
なお、後述しますが、ビジネスローンの金利はカードローンよりも高い又は同等程度となるため、個人事業主の方がビジネスローンを選ぶメリットは薄いと考えます。

借入条件について

続いて、ビジネスローンの借入条件について確認していきましょう。
実際にビジネス向けのパッケージ商品を出している以下の銀行・消費者金融の条件をまとめてみましたので、まずは御覧ください。

金利 借入金額 借入期間
みずほ銀行
(みずほスマートビジネスローン)
1~14% 10~1,000万円 ~12か月
三井住友銀行
(ビジネスセレクトローン)
2.125%~ ~1億円 ~7年
東日本銀行
(KIZUNAⅡ)
6.5~14.5% 10~500万円 1~3年
ジャパンネット銀行
(ビジネスローン)
4.8~13.8% ~500万円 ~50か月
アコム
(ビジネスサポートカードローン)
12.0~18.0% 1万円~300万円 103か月
(89回)

上記はメガバンク・地方銀行・ネット銀行・消費者金融のビジネスローン金利・借入上限・借入期間をまとめたものです。
御覧の通り、各金融機関で大きく条件が異なっていることが分かります。

手数料についても、無料となっている金融機関もあれば、印紙代や事務手数料として初回に数万円が掛かる金融機関もあります。
なお、ビジネスローンは原則として担保は不要となりますが、代表者の連帯保証が必要です。(法人の場合のみ)

銀行と消費者金融どちらが得か

各金融機関でパッケージ化されている「ビジネスロ―ン」。
商品によって大きく借入条件が異なることをお伝えしてまいりました。

実際に利用する際、銀行と消費者金融、一体どちらを選ぶのが良いのでしょうか。
両者の大きな違いとして「時間」と「手間」が挙げられます。
銀行は、申し込み、担当者とのすり合わせ、稟議を経てようやく融資の可否が決定する形ですが、消費者金融は独自のスコアリングシステムで条件・融資可否を決めています。

つまり、消費者金融はエビデンス資料さえ提出すれば、融資が可能か否か・どのような貸出条件になるのかが早ければ数日程度で分かるのです。
なお、銀行は消費者金融に比べて低金利というメリットがあるものの、その反面で審査が厳しいというデメリットがあります。
自社にマッチする資金調達方法は一体どちらなのか、しっかりと見極めるようにしてください。

〇と×の札を持ったビジネスウーマン
ビジネスローンは多くの銀行・消費者金融で取り扱っている商品ですが、金融機関によって条件が大きく異なっています。
自社の状況に応じて使い分ける・出来る限り多くの金融機関と交渉すると良いでしょう。
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監修者情報
木村 秀幸
ファイナンシャルプランナー2級・宅地建物取引士・行政書士・商簿記2級保持者。士業系事務所勤務の経験を活かし、数多くの金融系サイトの監修・執筆を手掛けた実績を持つ。