その他知っておきたい
借入方法

お金を借りる方法は、銀行や大手消費者金融からのキャッシングだけではありません。
意外なところにもお金を借りる又はお金に換える方法はあります。
当ページでは、一般的な借入を除いた資金調達にフォーカスを当てて紹介してまいりますので、通常の借入では審査が通らない場合などで困っている際に参考にしてみてください。

不動産担保ローン

不動産担保ローン

不動産担保ローンとは、文字通り不動産を担保にしてお金を借りる方法です。
お金を貸す側は、債務者が所有する不動産に「抵当権」を設定することにより、万が一お金が返ってこなかった時にはこの不動産を競売(オークションのようなもの)にかけ、当該代金をもって弁済に充てることができます。
つまり、借りる本人にそこまでの社会的信用がなくても、金融機関としては不動産の価値に応じて貸出に応じやすくなるのが、このローンの特徴の一つと言えます。

抵当権についての補足

抵当権は一つの不動産に対して複数設定することも可能です。
その場合、抵当権には「順位」が付き、同順位に従って債権回収が行われます。
つまり、低順位になればなるほど債権回収の可能性が低くなり、金融機関側のリスクが高くなります。

抵当権の例

3,000万円の土地に以下の抵当権が設定されている場合
第一順位抵当権…金融機関Aから2,000万円の借入
第二順位抵当権…金融機関Bから1,000万円の借入
第三順位抵当権…金融機関Cから500万円の借入
⇒対象不動産の価値は3,000万円であるため金融機関Cは債権を回収できない可能性がある。

このように、すでに複数の抵当権が設定されている不動産は担保としての価値が低くなるため、不動産担保ローンに利用出来ない(断られてしまう)可能性があります。

不動産の価値と借りられる上限

カードローンやキャッシングには基本的に「借入上限額」が設定されています。
これは、無尽蔵に借り入れができてしまうと利用者が債務超過に陥り、回収リスクが高くなるためです。

一方で、不動産担保ローンは当該不動産の価値に応じて借入可能額が変動します。
そのため、事前に上限を設けておくということは原則としてありません。(上限があったとしても、数億円など個人利用ではまず上限に届かない設定です。)
ここで言う、不動産の「価値」にはいくつかの種類があります。

実勢価格 実際に不動産が取引されている価格
固定資産評価額 市区町村が設定する金額で固定資産税の指標となる価額(実勢価格の7割程度)
路線価 相続税算定の基準となる価額(実勢価格の8割程度)

「実勢価格」は、文字通り販売されている不動産の値段と同義です。
ただし、不動産の売買には宣伝広告費や売主側の利益等が含まれておりますので、本来の価値とは多少誤差が生じます。
その他「固定資産評価額」や「路線価」など不動産の価値を計る指標はいくつかありますが、一般的に不動産担保ローンでは路線価の70%程度が借入上限に設定されることが多いようです。
例えば実勢価格が1,000万円の不動産の場合、

  • 実勢価格1,000万円
  • 固定資産評価額700万円
  • 路線価800万円

となり、借入上限は「路線価800万円×70%=560万円」となる、といった具合です。

金利について

金利については、同じ不動産担保ローンでも銀行とノンバンク(消費者金融)とで、大きく変わります。
さらに、担保として提供する不動産の価値・借入金額・期間等によっても変わってくるので、正確な借入条件はしっかりとした審査・すり合わせを経なければ出すことができません。
ただし、不動産担保ローンを商品として取り扱っている金融機関の多くが「金利の目安」を発表しておりますので、参考値として記載させていただきます。(※銀行・ノンバンク計40社から抜粋)

金融機関 最低値 最高値
銀行 0.575% 10.975%
ノンバンク 2.49% 18%

ご覧の通り、ノンバンクよりも銀行の方が金利は低く設定されています。
ただし、銀行はご存じの通り審査が厳しい傾向にあるため、柔軟性やスピードを重視するのであればノンバンクの方がおすすめです。

生命保険を利用した資金調達

生命保険を利用した資金調達

生命保険とは、基本的には契約者が死亡した際に遺族に保険金が支払われるものですが、そんな生命保険も種類によっては資金調達に利用することができるのをご存じでしょうか。
具体的には、解約返戻金を担保にした「契約者貸付」と、「生命保険買取」の2つの方法が挙げられます。

解約返戻金の特徴と利用条件

生命保険の契約内容にもよりますが、解約返戻金が設定してある場合、それを担保にすることにより「契約者貸付」として保険会社からお金を借りることができる可能性があります。

審査は保険加入時に行われているため原則不要で、消費者金融に比べて金利が低いなどのメリットがありますが、返済できなくなると保険契約を失効し、解約返戻金も受け取れなくなってしまいます。
生命保険の契約者貸付の特徴を以下にまとめました。

  • ブラックや無職、総量規制の上限まで借入している方でも利用可能
  • 審査がないので職場への在籍確認も無い
  • 借入履歴は信用情報機関に登録されない
  • 貸付額の上限は解約返戻金の6~9割程度
  • 金利は3~8%/年が相場
  • 申込から入金まで最短で2~3営業日
  • 柔軟な返済プランがある
  • 借入残高が基準額を上回ると保険契約が失効する

契約者貸付は保険業法に則った貸付サービスであり、貸金業法の影響を受けません。
そのため審査及び信用情報機関への照会等も無く、相応の解約返戻金を受け取れる保険契約さえあれば無職やブラックリスト状態の方でも利用できます。
万一返済できなくなったとしても、信用情報に事故履歴が記載されることもありませんが、保険契約は失効してしまうので注意しましょう。
返済できる見込みが始めからないのであれば、わざわざ解約返戻金を担保にした借入をするのではなく、保険そのものを解約して直接返戻金を受け取る方が無難、ということです。

借入限度額の例

生命保険の契約者貸付は、契約内容と加入期間によって条件が大きく変わります。
日本の生命保険においては、死亡保障のみを付けた終身生命保険や積立保険の場合、中途解約するとそれまでの積立額に対して解約返戻金が70%程度となる場合がほとんどです。
そして、借入限度額は解約返戻金の80%程度となっているので、仮に月々の保険料支払いが2万円だった場合は以下のように概算を出すことが出来ます。

(月々の保険料)20,000円×12か月=(年間保険料)240,000円
(年間保険料)240,000円×70%=(想定解約返戻金)168,000円
(想定解約返戻金)168,000円×80%=(貸付上限額)134,400円

つまり、加入期間が1年であれば134,400円、加入期間が10年であれば1,344,000円が貸付の上限額となる計算です。

生命保険買取

もう一つの方法として挙げられる生命保険買取ですが、これは「近い将来に保険金の支払い見込みがある契約の解約返戻金や満期保険金を買い取ってもらう」というものです。
例えば医師から余命宣告を受けた場合に、死亡保険金を前倒しで買い取ってもらう、などです。
仕組みだけ聞くとグレーな資金調達方法に感じられる方も多いかもしれません。

しかし、こちらはしっかりと法律で認められている方法であり、特に欧米諸国では広く活用されています。
主な特徴は以下の通りです。

  • 被保険者・買取業者・生命保険会社の3者間で契約する
  • 将来の保険料支払いがある場合は買取した者が負担する
  • 死亡保険金の受取人は買取業者
  • 欧米では広く普及しているが、国内では高齢者を狙った悪徳業者も多い
トラブルに注意

生命保険の買取は、売主・買主双方にメリットがあるシステムです。
しかしながら、日本ではまだまだ認知度の低い取引であり、トラブルに発展するケースも珍しくはありません。
情報商材や投資情報などの高額商品を売るために生命保険買取で資金調達を無理やりさせる等、制度を悪用する悪徳業者も多くなっています。

また、買取には生命保険会社側の同意が必要となりますが、拒否されることも多いようです。
大手消費者金融や銀行カードローンのようなスピード感は無く、契約までに数日から数週間を要するので、実用性はそこまで高くないでしょう。
選択肢の一つとして押さえておくのは良いですが、ご利用の際は信頼性が高い業者かをしっかり見極めるようにしてください。

質屋での借入

質屋での借入

質屋は、ブランド品や貴金属などの買取の他、これらの品物を担保にお金を貸す「質入れ(質預かり)」という業務を扱っています。
例えば、老舗チェーンの「大黒屋」はブランド品を買い取ってくれるお店というイメージがありますが、昔ながらの質入れにも実は対応しています。
持ち込んだものを担保に、手軽に質屋から直接お金を借りることができますが、返済できないと担保にしているものが「質流れ品」として売りに出されてしまうので注意が必要です。

質入れの特徴とルール

質入れによる借入は、消費者金融とは異なり利用者に対する審査がありません。
消費者金融は「人」に対して金銭を貸し付けるのに対し、質屋は「物」に対して金銭を貸し付けるイメージ、と言えばその理由がわかるかと思います。
そのため、ブラックリスト状態や収入の無い方でも利用することが可能であり、信用情報機関に事故履歴があっても照会されないので問題とはなりません。(ただし、未成年は法律行為を単独で行えないため、親権者の同意が必要)
質入れで借りたお金を万が一返せなくなった場合、質入れした品物が没収(質流れ)されてしまいます。

なお、質入れは店頭による現金貸付・現金返済が原則です。
質流れのリスクや返済にかかる手間を鑑みても、積極的に選びたい借入方法とは言えないでしょう。

質屋の金利

質入れによる借入も、当然ながら金額と期間に応じて利息を取られます。
2010年の改正貸金業法の全面施行により、金利の上限は消費者金融と同じ(15~20%)ですが、基本的に借入期間は短くなるため、月単位では1~1.5%程度の利息しかかかりません。
ただし、消費者金融やカードローンは利息の日割り計算を行うのに対し、質入れの利息は月単位になる場合がほとんどで、翌日に完済しても1ヶ月分の利息が発生するので注意が必要です。
以上のことからも長期での借入には向いておらず、あくまで1か月単位の「つなぎ資金」目的での利用に限られると言えるでしょう。

自動車ローン

自動車ローンは所有権留保がデメリット

自動車ローンとは、読んで字のごとく「車を購入するための資金の借り入れ」のことを指します。
所有する車を担保にお金を借りる、という意味合いではないので注意しましょう。
自動車購入時に利用されるローンは、以下のようなパターンに分類できます。

販売店が
マイカーローンを
提供している
販売店が提携する信販会社(オリコ・ジャックスなど)を利用する又はディーラーが独自にマイカーローンを設けている(トヨタファイナンス・日産ファイナンスなど)
販売店以外の
マイカーローンを
利用する
銀行・共済・組合のマイカーローンや、消費者金融・信販会社の目的別ローンの利用
その他のローンを
利用する
フリーキャッシングやカードローン、不動産担保ローンなど使途を問わないローンを利用

販売店の多くは信販会社と提携しているか、独自のマイカーローンを設けています。
自動車購入と同時に手続きを進められるため非常に便利なサービスですが、金利を他社と比較検討ができず、条件によっては損をしてしまう恐れも否定できません。
審査に不安要素がある・他の金融機関や信販会社を探すのが面倒な方は販売店ローン、低金利にこだわりたいのであれば販売店以外のマイカーローンも確認し、最も条件の良い商品を選ぶと良いでしょう。

なお、低金利で利用可能であれば当然検討の余地がありますが、その多くが残念ながら高金利設定となっており、条件が良いとは言えない借入方法です。

金利の相場

自動車ローンの金利は、借入先の他に新車・中古車や国産車・外車(高級車)で変わってきます。金利の相場をご覧ください。

ローンの種類 金利の相場
販売店ローン 【新車の場合】
国産車通常金利:3.9~6.9%
国産車キャンペーン金利:1.9~3.9%
高級外車通常金利:2.9~4.9%
高級外車キャンペーン金利:0.9~2.9%
【中古車の場合】
ディーラーの中古車:5.9~8.5%
中古車販売店:6.9~10.0%
高級外車の認定中古車:2.9~6.9%
販売店以外の
マイカーローン
【新車・中古車共通】
銀行・共済系:1.5~4.9%
消費者金融・信販会社:4.9~15.0%
その他のローン フリーキャッシング:5.0~18.0%
銀行系カードローン:1.9~15.0%
不動産担保ローン:2.9~10.0%

販売店でマイカーローンを組む場合、新車と中古車で金利が異なる点にご注意ください。
新車であれば大きな差異は見られませんが、中古車を購入する場合は販売店以外のマイカーローンを視野に入れても良いでしょう。
なお、新車の場合はキャンペーンが適用できれば、銀行や共済のマイカーローンよりも低金利で利用できる可能性があります。
借入先を変えるだけで金利が5%以上変わることもありますので、慎重に検討しましょう。

販売店自動車ローンのメリットと注意点

販売店を通した自動車ローンには、審査に通りやすいというメリットがあります。
最低限の収入と信用さえあれば利用できる可能性が高いため、まずは好条件の自動車ローンを自分で探して申し込み、万が一審査に通らなければ販売店に依頼するというのも一つの選択肢となります。
さらに、販売担当スタッフが一貫してサポートしてくれる・購入する車をそのまま担保にできるなど、柔軟な審査や利便性も大きな魅力ではないでしょうか。

デメリットとしては、購入した車に「所有権留保」が付いてしまう点です。
所有権留保とは車検証の所有者名が信販会社か販売店の名義になる契約条件で、完済して所有権留保解除書類を発行しないと自由に売却が出来ない上、ローンの返済が滞った場合には差し押さえられてしまいます。
また、所有権留保設定時に3~4千円の初期費用が掛かり、基本的に繰上返済もできないところも、購入者にとって不利な点と言えます。

学生ローン

主な学生ローン

「出かけるための洋服が欲しい」
「好きなアーティストのライブに行きたい」
「友達と旅行したい」

といったように、学生には楽しみや誘惑が数多くあります。
アルバイトや仕送りなどの余力の範囲内で収まれば良いのですが、「どうしてもいますぐにお金が必要」となった場合に、お金を借りるという選択をする学生も少なくありません。
学生がお金を借りる主な手段としては、

  • 学生を対象にした貸付サービスである「学生ローン」
  • 学生でも利用ができる「消費者金融のカードローン」
  • クレジットカードのキャッシング機能

などが挙げられます。

主な学生ローン

学生ローンと呼ばれる業者としては、「カレッヂ」「フレンド田」「マルイ」が有名で、いずれも高田馬場に事務所を構える中小消費者金融です。
まずは各社の借入条件について確認してまいりましょう。

業者名 年齢 金利 融資可能額 在籍確認 親権者の同意
カレッヂ 18歳~15.0~17.0%1,000円~50万円
フレンド田 18歳~12.0~17.0%1~50万円未成年のみ有
マルイ 18歳~12.0~15.9%1~100万円

学生を対象にしているというだけで、収入条件(総量規制)や金利は消費者金融とさほど変わりませんが、融資可能額については消費者金融より少なめです。
また、業者によっては職場への在籍確認や親権者の同意が必要になるため、内緒にしたい場合は慎重にサービスを選ぶ必要があるでしょう。
なお、カレッジならば全国のセブン銀行ATMで借入と返済ができる、というメリットがあります。

大手消費者金融も学生の利用は可能

収入さえあれば、学生でも利用可能な大手消費者金融もあります。
例えば「プロミス」「アコム」「SMBCモビット」等では学生や主婦でも利用することが可能であり、保証人も必要ありません。

業者名 年齢 金利 融資可能額 在籍確認 親権者の同意
プロミス 18歳~4.5%~17.8%~500万円
アコム 20歳~3.0~18.0%1~800万円
SMBC
モビット
20歳~3.0~18.0%1~800万円

※プロミスの場合、申込み時の年齢が18歳又は19歳だと収入証明書類が必要で、高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)は申込不可です。
また、審査の結果によっては電話による在籍確認が必要となる場合があります。

学生ローンと比べると利用可能金額が高く、最低金利も低くなっていますが、あくまでも利用できる枠は収入によって決まるという点で異なります。
つまり、アルバイトなどで一定の収入があることを証明できないと利用できません。
こちらももちろん総量規制の対象であり、年収の1/3程度までが貸付上限として設定されます。

学生利用可のカードローンを探す

親バレはするのか

学生で消費者金融を利用する方のほとんどは、「親に内緒にしたい」と考えるのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、親に内緒でお金を借りることは可能です。

民法が改正されたことで18歳から成人となる(制限行為能力者ではなくなる)ため、単独で契約を締結できるようになり、原則として親の同意も不要となりました。
それでも、自主的に現在も同意書への記名押印を求める業者はありますので、そこは事前に確認をしましょう。(申し込み後のキャッシュカードの受け取りを自宅郵送にすると家族に発覚してしまう可能性があるので、店頭受取にすることをおすすめします。)
最近では消費者金融もカードレス化が進み、現物のカードを発行せずに、スマホ内でバーチャルなキャッシュカードの管理をできるようなところも増えてきています。

借り過ぎに注意

学生ローンと言うと少し「緩そう」「優しそう」といったイメージを持たれがちです。
たしかに社会的信用がほとんどない学生に積極的融資をしてくれるので、お金に困っている学生にとってはありがたい存在でしょう。
しかし、利益を求めて運営している消費者金融の一つであることには違いありません。
学生に対して過剰に融資を煽るような悪質な学生ローンは今のところありませんが、いずれにしても借り過ぎにはくれぐれもご注意ください。

その他の借入方法に関するまとめ

利用時は慎重な判断が必要

一般的なキャッシングやカードローンの他にも、借入への切り口は多く存在します。
いずれもその人の状況次第では、役に立つ可能性があるので覚えておいて損はありません。
審査の難易度や金利、返済期間などそれぞれの方法によって条件が異なるので、状況に応じて適した方法を選択してください。
しかしながら、いずれも借入であることには変わりないので、必要のない場面で利用しすぎないようにくれぐれも注意しましょう。