闇金・違法金融
について

お金を借りる前に必ず知っておいていただきたい「闇金」の存在。
こちらのページでは、闇金をはじめとした数多くの違法金融業者の金利や実態についてまとめています。
大事なのは借りない・利用しないことですが、万が一すでに借入をしてしまっているという方のために、その対処法についても触れてまいります。

闇金の金利について

闇金融とは

「トイチ」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
これは「10日で1割の利息が付く」ことの俗語であり、闇金の金利と言えばトイチが当たり前で、場合によってはトサン(10日3割)やトゴ(10日5割)といった設定も珍しくありません。
もちろんこれらは出資法違反の違法金利であり、そしてこれだけの暴利となれば、利息を返すだけでも大変なのは想像できるかと思います。
万が一期日までに利息が返せないと、そのまま返せない利息が元金に乗り、そこにまた10日で1割の利息が付き…といった具合であっと言う間に借金が雪だるま式に膨れ上がっていってしまいます。

年利に直すと

闇金の金利を年利に直すと、以下のような衝撃的な数字となります。

単利 複利
トイチ
(10日で1割)
365% 3,142%
トニ
(10日で2割)
730% 77,545%
トサン
(10日で3割)
1,095% 1,441,791%
トヨン
(10日で4割)
1,460% 21,561,119%
トゴ
(10日で5割)
1,825% 267,504,316%

単利とは最初に借りた元金にのみ金利が10日おきにかかる計算で、複利は10日で発生した利息を元金に乗せて計算した場合のものです。
利息制限法で定められている年利の上限が20%であることを鑑みれば、闇金の金利がいかに恐ろしいものなのかがわかるかと思います。
特に複利で元金が膨らむ形式となれば、一瞬で返済不能な金額にまで借金は膨れ上がることが分かります。

ソフト闇金とは

闇金の摘発が増えたことを受け、近年では「ソフト闇金」と呼ばれる業者が増えているのをご存じでしょうか。
これは文字通り取立てや金利が「ソフト」という意味で、ユーザーに対して「手軽」「優しく」をアピールし集客を図っています。
「ソフト闇金」といったワードでインターネット検索を行うと、驚くべきことに自社のHPと思われるページが多数ヒットします。
いずれもブラックでもOK、定職についていなくてもOKなどの謳い文句で顧客を誘因していますが、当然ながら貸金業法に則った貸し出しを行っていないことは一目瞭然です。

ソフトとは言いますが、闇金であることには違いはありません。
以前は「食いついた顧客は絞りつくす」というスタンスだったものが、「細く長く生かして徐々に吸い上げる」というように変わっただけと言えます。

給与ファクタリングに注意

2020年ごろから、「給与ファクタリング」というワードがたびたび世間を賑わせています。
ファクタリング(factoring)とは一般的に債権売買取引のことを指しますが、それを模したもので給与という債権を売買するのが給与ファクタリングです。
給与ファクタリングの具体的な事例を挙げます。

給料日 2020年3月10日
支払額 200,000円
取引日 2020年3月1日
ファクタリング
手数料
15%

上記は、給料日・受け取る給料額・ファクタリング手数料の例を記載したものです。
3月10日に勤務先より給与が支払われる予定ですが、2月末ごろにお金が必要となり、3月1日に給与ファクタリングの契約を締結したと仮定します。
上記の条件の場合、17万円の現金を給料日の10日前に受け取ることができますが、3月10日に入ってきた給料は全額業者にそのまま渡さなければなりません。
つまり実質的に3万円もの手数料を業者に支払ったことになるのです。

この構図は、「3万円の利子を前払いし20万円の元本を回収する」と同様の構成となり、実質的な貸金業に当たるとの懸念が広がっています。
事実、金融庁も給与ファクタリングは実質的な貸金業にあたるもの、という見解を示しています。

この事例の場合、10日で15%もの金利がかかっていることになり、年利に直せば単利だとしても547.5%という暴利になります。
闇金を利用しているのと実質的に変わらないので、注意しましょう。

貸金業登録事業者でも要注意

貸金業登録がなされているからといって、それが必ずしも優良業者であるとは限りません。
もちろん、資産面・人的要件(貸金業務取扱主任者の設置等)・独立した事務所といったように、登録時に厳格な審査を受けておりますので、登録のない業者に比べれば安全性は高まります。
しかしながら、日々の運営については特段の事情を除き金融庁は細かくチェックしませんので、違法な取立てや営業活動についてはある意味野放しになっています。
そのため、監督庁の目が届かない小規模事業者や昔ながらの街金融などの中には、今もなお違法に近い方法で運営しているところも見られます。

仮に違法と判断された場合、最大で5年以下の懲役・3,000万円以下の罰金など非常に厳しい罰則が科せられますが、それも違法業者にとっての充分な抑制力になっているとは言い難いのが現状です。

闇金の運営実態

闇金の運営実態

闇金の恐ろしいところは金利だけではありません。
払えなくなった相手からもなんとでも回収しようという厳しい取立てについても、噂を聞いたことがある方はいるのではないでしょうか。
闇金は実際にどういった形で運営されているのか、その実態に迫ります。

集客方法

闇金は、一昔前までは電話ボックスに張られたチラシや電柱に張られた看板(いわゆる「捨てカン」)などで集客をしていました。
令和となり、これらの広告はほとんど見かけなくなりましたが、現代において闇金業者はどのような方法で集客しているのでしょうか。
実は現在、闇金業者の多くは堂々と自社のホームページを開設しており、集客も大半はそこからとなっているようです。(※「ソフト闇金」「ブラック 借りる」「無職 借りたい」などのワードでインターネット検索を行うと、次々と闇金業者と思われるホームページがヒットします。)

さらに、見込み客に営業電話を掛ける、メールを送信するなど、昔ながらの営業方法も並行して行われています。
見込み客については、違法なルートで手に入れるリスト(お金に困っていそうな人の連絡先など個人情報を集めたもの)を使ってアプローチしています。

闇金の取立て

期日までに返済をしなかった債務者に対しては、当然ながら取立てをします。
ドラマや映画などでは、闇金業者が直接家にまで押しかけ、無理やり家の中に侵入し金品を漁ったり、暴力行為でお金を巻き上げたりとやりたい放題のイメージがあるかもしれません。
しかし、令和となった現代において、このような取立て方法は即逮捕へと繋がりますので実際に行われることはほぼありません。

ただし、自宅周辺で待ち伏せての声掛けや家族への嫌がらせ等については今もなお行われている模様です。
万が一、このような被害に遭ったらすぐに警察に通報しましょう。
個人情報を脅しの道具にするのも、闇金の常套手段と言えます。
もしも返せなかった時にはネット上に晒すことを前提に、自撮り写真などを契約時には要求してきます。

闇金は反社会的勢力

反社会的勢力とは「暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等」を指しますが、その他半グレ集団・犯罪組織・その協力者も含まれると解されています。
一昔前は暴力団等がバックに付いているところが多かった闇金ですが、現在ではこのような団体とは関わりを持たず、単独で営業する業者も多いようです。

しかしながら、仮に暴力団との関わりが無かったとしても、闇金業者は間違いなく「犯罪組織」に該当しますので、その時点で反社会的勢力に当たるのは間違いありません。
自身が反社会的勢力との関わりを持たないためにも、闇金を利用するのは絶対にやめましょう。

闇金に借りてしまったら

闇金に借りてしまったら専門家に相談を

闇金からは借りない、関わらないのが一番ですが、すでに現在借りてしまっているという方も中にはいるでしょう。
そういった状況は早めに手を打たなければ、取り返しのつかないことになりかねません。
闇金に借りてしまった後の対処法について、まとめました。

違法だから返さなくてもよい?

「闇金は違法金融業者であり、違法な貸付については契約そのものが無効、つまり返さなくてもよい」という話を聞いたことはないでしょうか。
これは事実であり、法律上は民法708条の不法原因給付を根拠としています。
実際の判例でも

  1. 本件ヤミ金融業者が貸付として交付した金銭は、不法原因給付に該当するため、本件ヤミ金融業者から借主に対して返還請求することはできない。
  2. 本件ヤミ金融業者が被害者に対して行った高利での貸付け・弁済という名目で金銭を受領した行為は不法行為に当たるため、被害者はヤミ金融業者に元利金の弁済として支払った金額全額を損害として、損害賠償請求ができる。

と論じられており、すでに返してしまった分も損害賠償として請求できる、とされています。
ただし、これはあくまでも法律上の話であり、個人で闇金業者にこの理屈をぶつけても「そうですか」と引き下がってくれることはないでしょう。
契約を無効にし、返済を拒否するのであれば弁護士など専門家への依頼は必須となります。

警察は取り合ってくれないのか

警察は原則として「民事不介入」。
お金の貸し借りは民事であり、警察はそういったトラブルには介入しません、というのが以前までのスタンスでした。
しかし、闇金の違法な取立て(脅しや嫌がらせ)に対しても「我関せず」という警察の姿勢は大きな社会問題となり、現在では闇金業者への注意喚起・被害届の受理を積極的に行うようになっています。
実際に摘発にまで至るケースは少ないものの、少なからず闇金業者への抑止力にはなってくれる可能性があるので、取立てなどで追い込まれていると感じた際には警察にも相談しておきましょう。

法律の専門家に頼るべき

警察に相談すると同時に、弁護士など法律の専門家に頼るのがベターです。
闇金業者としては、弁護士が介入してきた時点で契約を無効にされる可能性が出てくるため、急に態度を軟化させて元金だけでも回収しようというように方針を変えてくる場合も多いようです。
当然ながら弁護士に対応を依頼するとなれば、そこにまたお金がかかります。

闇金に借りるまで金銭的に困っていると、「弁護士に依頼する余裕なんてない」と選択肢からはずしてしまいがちですが、報酬の支払いは分割や回収した損害賠償金から充当するなど、柔軟に対応してくれるところもあります。
少なくとも、闇金にお金を借りている状態で何も手を打たないよりは良いですので、迷わずまずは行動に移しましょう。

闇金には要注意!
必ず正規業者で借り入れを

ソフト闇金や給与ファクタリングに注意

暴利や厳しい取立てをする過激な闇金業者は以前に比べて減ったものの、依然として「ソフト闇金」と呼ばれる違法金融業者はたくさん存在しています。
また、闇金と実質的に変わらない給与ファクタリングにも注意が必要です。
間違って手を出してしまえば、その先に待っているのは長く厳しい返済の日々であり、あなたにとって良いことは一つもありません。
お金が必要になった場合は、まずは家族や知人友人に相談し、それが難しそうであれば大手の消費者金融又は銀行を利用するようにしてください。