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ふるさと納税返礼品アマギフ

問題となったふるさと納税返礼品のアマギフ

2017年から2018年にかけて、一部の自治体がふるさと納税の返礼品にamazonギフト券を用意して度々話題になりました。

現在は規制が強化されたため、返礼品としてアマギフを受け取ることはできませんが、ふるさと納税サイト(ポータルサイト)の利用特典でゲットすることができます。
今回のコラムでは、ふるさと納税とアマギフの関係性について解説いたします。

アマギフを返礼品にした自治体

これまで、amazonギフト券をふるさと納税の返礼品としてラインナップに入れた自治体は大阪府泉佐野市、静岡県小山市、佐賀県みやき町の3市町です。
いずれも、度重なる総務省からの注意喚起を無視して、繰り返しアマギフを返礼品に設定して話題になりました。

ふるさと納税の返礼品は本来、地域の地場品に限定しないといけないルールがありますが、「Amazonギフト券で地域の特産品のショッピングをお楽しみください」などの名目で設定した経緯があります。

これらの自治体は、それぞれ「うちの地域は魅力的な特産品がない」などの言い分があります。

静岡県小山町の事例

静岡県小山町は、町内に工場があるサーティーワンアイスクリームのギフト券を返礼品に設定して、ふるさと納税が始まった2015年から全国屈指の税収を得ていました。
そして、さらなる税収を得ようとして2018年4月に全国で初めて、ふるさと納税の返礼品にAmazonギフト券を設定しました。

すぐに総務省から指導されたものの、同年12月まで複数回に渡り除外と設定を繰り返して、2018年は4月から12月までで町の年間予算2倍にあたる249億円を集めています。
小山町は、ほかにもQUOカードなど換金性の高い返礼品を多数扱っていました。

大阪府泉佐野市の事例

泉佐野市は従来から納税額の5割相当の豪華な返礼品(特別なコシヒカリなど)を用意して、全国屈指の納税額を集めていました。
現在のふるさと納税の返礼品は寄付額の3割以下にするルールが作られたのは、泉佐野市が原因だとされています。

返礼品3割のルールが適用されてから泉佐野市はアマギフを返礼品に設定するようになりました。
特に大きな話題になったのは、ふるさと納税の新制度が適用される直前に行われた「閉店セール」と題して100億円のamazonギフト券を還元すると言った強気なキャンペーンです。

2019年6月1日よりふるさと納税の対象自治体から外れることが決まった後にも、除外前日の5月31日まで荒稼ぎとも取れるような挑発的なキャンペーンに総務省は激怒し、2019年10月現在、泉佐野市は除外された4市町の中で唯一、除外解除を遅らせる方向の厳しい対処を下しています。

佐賀県みやき町の事例

佐賀県みやき町はアマギフではなく旅行券(当初はJTBギフト券、その後はHISギフト券)を交通費補助券という名目で返礼品に設定し、プラスアルファでAmazonギフト券による還元を行っていました。

地域のフェス招待券もセットにすることで、総務省のルール違反回避になる声も聞かれていましたが、結果的にはふるさと納税の除外対象の4市町に含まれてしまいました。

なお、2019年6月1日より、ふるさと納税の除外処分を受けた自治体は、ここまで紹介した3市町に和歌山県高野町を加えた4市町です。

和歌山県高野町はアマギフの返礼品の設定はしていませんが、旅行券を含めて寄付額に対して高額な返礼品を用意しました。

総務省の定める寄付額3割以下の基準に違反した自治体は全国31市町村ありましたが、結果的に除外処分を受けたのは換金性の高いamazonギフト券や旅行券を返礼品にした4市町のみです。

アマギフ返礼は復活する?

バツのプラカードを掲げる女性

2019年6月1日以降のふるさと納税新制度が施行されてから、返礼品としてamazonギフト券を受け取ることは一切できなくなりました。
過去にアマギフを返礼品にした3市町は厳しい処分を受けたので、将来的に復活することはないでしょう。

現在、ふるさと納税でamazonギフト券をもらうには、ポータルサイトの還元キャンペーンを活用する方法があります。
有名なのは「ふるなび」と「ふるさとプレミアム」の2つです。
ただし、寄付額に対して3割以下の返礼品に設定するルールは、ポータルサイトによる還元キャンペーンが含まれます。
過去には静岡県の下田市と南伊豆町がポータルサイトのアマギフ還元と返礼品の合算が3割を超えたことで、総務省からイエローカードを受けた事例があります。

ふるさと納税を活用する際にアマギフの還元があるポータルサイトを使った場合、何も還元がないポータルサイトの自治体よりも寄付額に対する返礼品の価値が低くなることを覚えておきましょう。
それでも、自由に使えて換金性の高いamazonギフト券を少しでも貰えるのであれば十分だと考える方からの需要が高く、魅力的なキャンペーンを行っているポータルサイトは高い人気を確保しています。