起業時の資金調達方法まとめ
事業が軌道に乗るまでには、数か月乃至は1年ほど掛かると言われています。
そのため、最低でも3か月程度は耐えられるだけの事業資金を用意しておくことが望ましく、状況に応じて追加で調達する必要もあります。
また、キャッシュがギリギリの状態だとビジネスチャンスを活かせない可能性がありますので、開業時の資金は多ければ多いほど良いでしょう。
当ページでは起業時の資金調達についてご紹介してまいります。
起業時は選択肢が限られる
資金調達にはさまざまな方法がありますが、起業時は売上が少ないことがほとんどである上、決算期が未到来のため財務諸表類も無い状態です。
そのため客観的な評価が難しく、第三者からの融資や株式又は社債発行などの方法は厳しいと言わざるを得ません。
そのため起業時は「自己資金及び役員からの借入」をはじめ、状況に応じて「公的金融機関の活用」「エンジェル投資家からの出資」「ファクタリング」などを利用するのが一般的です。
自己資金については説明を割愛しますが、後者に挙げた3つの方法については覚えておいても損はありません。
次項ではさらに詳しく解説してまいりますので、是非チェックしてみてください。
公的金融機関の援助
銀行や消費者金融は「自社の利益のため」に融資をしているのに対し、日本政策金融公庫や都道府県・市区町村などでは「公益性を重視した支援」を実施しています。
例えば、日本政策金融公庫では女性やシニア世代などに積極的に融資を実行しており、都道府県や市区町村では同エリアにて起業する人に対して補助金を交付する・事業に使用する土地や建物を提供するなどのサポートを行っています。
さらに、都道府県や市町村の中には創業時に利用できる制度(制度融資)も実施しており、審査に通れば経営の大きなバックボーンとなることは間違いありません。
ただし、誰でも簡単に利用できてしまうと、他の国民との間に不公平が生じてしまいます。(多くは税金で運用されているため)
そのため、これらの制度を利用するには一定の審査にクリアする必要があり、実際に入金されるまでに1~2か月を要します。
審査には通ったが、入金がまだまだ先…などであればファクタリングや役員借入等で対応すると良いでしょう。
また、自治体の多くは申し込み期間を定めており、状況にマッチしないことも多いため、制度・サポートの概要については予めチェックするようにしてください。
エンジェル投資家からの出資
エンジェル投資家とは、起業家に対して出資する個人投資家のことです。
まだ起業していなくて実績がない会社でも斬新なアイディアや他にない商品、魅力的なサービスが提案できれば資金を集められる可能性は十分にあります。
例えばGoogleやappleなどの世界的に有名な企業も、創業当初にはエンジェル投資家からの援助を受けています。
なお、出資されたお金や物品は返済する義務がありませんが、会社の株を一部譲渡する必要があり、経営に一定の介入を許すこととなる点には注意が必要です。
また、近年では「クラウドファンディング」を活用する企業も多く見られます。
クラウドファンディングはインターネットで不特定多数の人から出資を募る資金調達方法で、高いスキルや新しいアイディア・魅力的な製品であれば目標額を超えるケースも珍しくありません。
資金が全くない状態からでも起業することが可能ですが、出資者には相応のリターンをしなければなりませんので、しっかりと計画を立てる必要があります。
ファクタリング
ファクタリングは債権さえあれば利用が可能であるため、過去の売上や財務状況については原則考慮されません。
極端な話、開業して1か月程度しか経っていなくとも、既に役務を提供し請求可能な売掛金があればファクタリングを利用することが可能です。
また、融資と異なりファクタリングは審査に時間が掛かりませんので、早ければ申し込んだその日のうちに買取金が振り込まれます。
先ほど「公的金融機関の援助」でも軽く触れましたが、公的な融資や制度を利用する場合、申込みから決済までに数か月を要することも珍しくありませんので、決済されるまでのつなぎ資金として高いパフォーマンスを発揮する手法です。
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ファクタリングをさらに詳しく自己資本の割合目安
返済の必要がない資金(自分で用意したもの)を自己資金と言います。
自己資金が多ければ多いほど破綻の可能性が低くなり、融資審査の際でも全資産のうち自己資金が占める割合は必ずチェックされます。
一般的に融資金額の上限目安は自己資金の2~3倍とされておりますので、仮に500万円の融資を受けたいのであれば最低でも200万円の自己資金は用意しておきたいところです。
なお、金融機関は自己資金の額から、経営の安定性だけではなく、事業計画がしっかりと練られているのかどうかも審査しています。
もちろんこちらはあくまでも目安であり、起業する業態や事業計画によっても融資可能額は変わりますし、想定していなかった費用がかかることもあります。
自己資金なしで起業するリスク
自己資金がなくても起業は可能ですが、事業をする上でキャッシュは必須ですので、銀行や消費者金融、都道府県や市区町村、親族や知人などから最低限のお金は借りなければなりません。
冒頭でもお伝えした通り、自己資金と実績が無い状態では銀行・消費者金融から事業資金を借りるのは難しいです。
そのため、公的な支援を利用する又は親族から借りるなどで対応する他ありませんが、黒字化するまでには時間がかかりますし、行政の審査に通るとも限りません。
最悪の場合半年以上は赤字が続くことも覚悟しなければいけませんので、それらの資金を全て借りられるかどうか・いくら必要なのかをしっかりと計画しておく必要があります。
さらに、無償で借りた場合は贈与税が発生する可能性があり、有償で借りた場合は利息を支払わねばなりませんので、相応のコストが掛かるものと考えておきましょう。
なお、日本政策金融公庫総合研究所「2020年度新規開業実態調査」によると、開業にあたって平均値で989万円、中央値で560万円の費用がかかっているようです。
事業内容や規模によって必要な金額は異なりますが、事業計画やリスクに応じて相応のキャッシュを予め準備するようにしてください。
資金調達の種類
資金調達は「エクイティファイナンス」「デッドファイナンス」「アセットファイナンス」の3つに分類することができます。
エクイティファイナンスとは、株主資本(Equity)を増加させる資金調達のことで、例えば「株式発行」などが代表的です。
エクイティファイナンスは、金融機関を介することなく直接投資家から資金を集めることができますので、金利の支払いや返済期限がありません。
一方、デッドファイナンスは負債(Debt)による資金調達を指し、銀行や消費者金融、役員や知人友人からの借入などで現金を用立てる方法です。
例としては銀行融資やビジネスローンなどが挙げられ、特定の条件でお金を借り、期日前に当該お金を返す、という至ってシンプルな資金調達方法と言えます。
高額又は長期になればなるほど審査が厳しくなりますので、開業時にすぐ使えるサービスは少ないでしょう。
アセットファイナンスは資産(Asset)のことで、例えば不動産を担保にお金を借りる(不動産担保ローン)、売掛金を売却する(ファクタリング)といったように、資産を利用した資金調達を指します。
資産さえあれば利用可能なため、開業時でも利用できるシーンは多いと言えます。
資金調達方法は経営状況・財務状況に応じて選ぶ必要がありますが、開業時は売上が少なく、資産(不動産など)も有してない企業がほとんどではないでしょうか。
それでは、これらのうち起業時でも使える資金調達方法は一体どれなのか、具体的に見てまいりましょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、群衆(Crowd)と資金調達(Funding)を組み合わせた言葉で、読んで字のごとくWEBサイトやSNSを通じて多くの人々から資金を募る方法です。
長年温めてきたアイディアを商品化したい・サービスとして提供したい…と考えた場合、今までは自己資金又は借入等で起業するのが一般的でしたが、クラウドファンディングであれば、事業に賛同若しくは商品に魅力を感じている人から資金を集めることができます。
さらに、支援てくれた人へのリターンは「商品」「サービス」などが一般的で、株式発行とは異なり会社の決定権(株式)を渡す必要もありません。
クラウドファンディングの登場によって、多くの人から共感が得られれば低リスクでアイディアを形にすることができるようになったと言えます。
事業計画を綿密に立てるとともに、どのように魅力をアピールするが重要です。
ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルとは、有望なベンチャー企業・スタートアップ企業に出資する金融機関のことで、株式公開前の会社への投資及び株式公開をサポートし、公開後に株を売却して利益を得るという狙いがあります。
ベンチャーキャピタルが経営者や現場責任者などを送り込み、積極的に経営支援をおこなうこと(ハンズオン)があり、関与する度合いは企業ごと異なります。
また、銀行系や事業会社系、証券会社系のほか独立系の企業もあり、企業ごとに投資対象にする業種やステージが異なりますので、ベンチャーキャピタルから資金調達する際は慎重に検討する必要があるでしょう。
なお、ベンチャーキャピタルと前述したクラウドファンディングは「エクイティファイナンス」に該当すると言えます。
借入による資金調達
借入によって資金を調達する方法は「デッドファイナンス(借入金融)」の代表例です。
まとまった金額を用立てることが可能であり、事業の基盤となる設備投資、仕入れ、人材確保などを目的とする場合にマッチする手法と言えます。
ただし、デットファイナンスは返済義務があるため、事業計画とともに返済についても考えておかなければならず、そもそもスタートしたばかりの企業にお金を貸してくれる金融機関はほぼ皆無と言わざるをえません。
特に「メガバンク」と呼ばれる銀行の場合、起業したばかりの企業では融資はおろか口座開設も断られてしまう可能性が高いでしょう。
しかしながら「地方銀行」「信用金庫」「制度融資」であれば利用できる可能性があります。
地方銀行や信用金庫は地域貢献を目的に創業支援をおこなっているケースがあり、事業計画を綿密に立てておき、長期的かつ地域の発展に繋がると認められれば融資を勝ち取れるかもしれません。
また、制度融資とは都道府県などの自治体や金融機関、信用保証協会が連携しておこなう融資のことで、こちらも地域の発展や貢献に寄与すると認められる事業が対象です。
銀行融資や公的融資に比べると調達可能額は低め(100~300万円ほど)ですが、固定金利かつ長期返済が前提なので、ゆとりをもって返済ができます。
ただし、制度融資は地方自治体によっても条件が異なりますので、申請前(起業前に申請可能なケースもある)にしっかりと確認しておきましょう。
個人からの借入
創業時は売上も信用も芳しく、融資してくれる機関は中々ありませんし、社債を発行したとしても実績のない企業の債券を買おうとする人は少ないでしょう。
そこで、ベターではありますが身近な人からお金を借りるという手があります。
特に中小企業の役員は会社と一蓮托生ですので、取締役や執行社員から事業資金を借り入れるという方法は昔から多く採られてきました。(なお、金利を附した上で返済しないと贈与税が課せられる恐れがありますので注意せねばなりません。)
返済はお金の代わりに株式を付与するという方法(デッド・エクイティ・スワップ)もありますので、金銭での返済が難しい場合は同手法を検討してみても良いでしょう。
昔に比べて選択肢が多い
インターネットが普及する前は「自己資本」「借入」に頼るしかありませんでしたが、現在ではファクタリングやクラウドファンディングなど、資金調達手段にも様々な選択肢が生まれています。
資金調達方法にはそれぞれメリットとデメリット、特徴等が異なりますので、会社の規模や事業内容、資金の活用方法、事業の成長ビジョンなどと照らしあわせ相性の良い方法を見つけてみてください。
もちろん、ひとつの方法に頼るのではなく、複数の方法を組み合わせて使うといった手段もあります。
ビジネスを成功させる可能性を少しでも上げるためにも、あらかじめ資金繰りの方法・事業資金の調達手段は考えておいてみてはいかがでしょうか。
事業ステージと資金調達方法
革新的なアイディアや独自技術を武器にして新しいサービスを生み出し、今までになかった技術やビジネスモデルによって市場に次々と変革をもたらしているベンチャー企業達。ベンチャー企業には成長フェーズに伴って評価が変わっていき、これを一般的に「事業ステージ」「ラウンド」などと呼びます。
ベンチャー企業は「新しいビジネス」を展開しているケースが多く、確立されたビジネスを営む企業に比べると資金調達方法が制限されてしまいます。
例えば銀行はリスクの高いビジネスを嫌いますし、成功の可能性が低い又は前例のないビジネスに対して投資をする人は少ないと言えるでしょう。
しかしながら、アイディア次第では急成長の可能性もあり、特定のエンジェル投資家やベンチャーキャピタルにとっては格好の投資先とも言えます。
なお、一言でベンチャー企業と言っても規模や特徴がそれぞれ異なりますので、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルでは「事業ステージ」で区分し、成長段階に応じて投資する金額を決めています。
色々な評価方法がありますが、一般的には以下のようにステージが分けられています。
シードラウンド
それでは、実際に一つずつ確認してまいりましょう。
「シードラウンド」はラウンドの第一段階にあたり、まだ芽が出るまでの種の状態・創業に至っていない準備段階です。(シードは「種」を意味する言葉)
シードラウンドの段階では多額の資金は必要ないケースもありますが、市場調査や創業費用、人件費等のコストは発生しますので、最低限の事業資金は用意しておく必要があります。
シードラウンドはまだ事業を展開しておらず、民間の金融機関からの融資は受けにくい時期のため、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルといった「アイディアやビジョン」を重視してくれる資金調達方法がおすすめです。
また、賛同者を集めやすいビジネスであればクラウドファンディング、地域貢献度が高い事業であれば日本政策金融公庫や制度融資(スタート・アップ応援型)なども検討してみると良いでしょう。
シードラウンドの調達可能額は1,000~2,000万円と言われておりますが、事業内容によって金額は変動します。
アーリーラウンド
「アーリーラウンド」は、起業した直後の時期でスタートアップと呼ぶこともあります。
実際にビジネスに着手しつつも安定した利益が困難な時期であり、必要な運転資金や設備資金等で赤字経営になることも多いでしょう。
アーリーラウンドの調達可能額の相場は2,000~5,000万円で、顧客や売上が増えていけばさらなる調達も見込めます。
ただし、マーケティングコストや研究開発コストの影響が大きいため、事業を継続させるための運転資金も別途必要です。
継続して利益が出ているわけではないので、同フェーズでは民間金融機関からの融資はまだまだ困難な時期と言えます。
シードラウンドと同様、事業を始めたばかりでもサポートしてくれるエンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの資金調達を目指す必要があるでしょう。
なお、ベンチャーキャピタルには出資だけでなく、事業提携先を紹介してくれる・経営のサポートをしてくれるといった企業もありますので、積極的に活用してみてください。
また、小規模事業者持続化補助金やキャリアアップ助成金などの活用も視野に入れると良いでしょう。
シリーズAラウンド
「シリーズAラウンド」は、企業が提供しているモノやサービスが、市場で支持されるようになった状態です。(「Product Market Fit」を達成している段階とも言われます。)
同フェーズでは、顧客を獲得するためにかかるコストよりも、得られる収入のほうが多い状態(Unit Economics)を一つの目標とします。
シリーズAラウンドの調達可能額の目安は数千万円から2億円程度で、売上を伸ばすための設備投資や優秀な人材確保が求められます。
大きな資金調達が必要になってくることが多いため、募集株式の発行での増資・銀行からの融資などを検討しても良い時期です。
有利な種類株式を発行し投資メリットを拡大するという手法もあり、エンジェル投資家やベンチャーキャピタル側から積極的に出資を打診されることも珍しくありません。
シリーズBラウンド
「シリーズBラウンド」は、Aラウンドに比べて事業が安定化した状態であり、さらに事業規模の拡大を狙っているというフェーズです。
シリーズAまでは経営安定が資金調達の主な目的でしたが、シリーズBラウンドからは事業規模の拡大や株式上場を見据えた長期的な資金調達にシフトする時期と言われています。
シリーズBラウンドの調達可能額目安は4~5億円と、金額も一気に大きくなります。
複数のベンチャーキャピタルから出資を受けるほか、金融機関からの高額融資なども視野に入れつつ、補助金や助成金も活用しながらビジネス拡大を目指しましょう。
信用力が高まり資金調達の選択肢も広がるので、リスクや経営への影響も時間をかけてしっかりと検討するようにしてください。
シリーズCラウンド
「シリーズCラウンド」は、株式公開による資金調達も可能になる時期であり、5~8億円を調達することも不可能ではありません。
会社の規模拡大、多角化のためにM&Aのような企業再編のタイミングとも言え、金融機関からの融資・株式公開や新株発行といった多様な選択肢から自社のニーズに合った方法を選ぶと良いでしょう。(複数の金融機関から融資を受ける、所謂シンジケートローンへと変化する可能性もあります。)
この時期は短時間でより効率的に資金を調達し、経営に生かすことが重要です。
なお、事業が安定し株式上場やM&A等を目出す段階のことを「レイターステージ」といい、当ラウンド及び次項で説明するシリーズDラウンドがこれに当たります。
シリーズDラウンド
「シリーズDラウンド」では、前ラウンドに引き続き株式公開やM&Aを実施し、企業の規模の更なる拡大を目指します。
ベンチャーキャピタルと契約している場合には、新規株式公開でEXIT(契約の終了)に進むこともあり、ベンチャー卒業が近い時期と言っても過言ではありません。
シリーズDの資金調達額の相場は数十億円にのぼることも珍しくなく、企業再編によって経営権が移り変わることもあるので、資金調達手段が経営に大きく影響します。
事業は黒字化しているため、民間銀行からの融資は受けやすくなりますが、短時間で大きな資金が必要になってくる時期です。
事業資金には短期的(運転資金や仕入など)に必要となるものと長期的(投資や設備など)に必要となるものがありますので、目的に応じて資金調達を使い分けましょう。
ベンチャー企業の資金調達注意点
上記事例の通り、大規模な資金調達が実施できれば事業拡大に大きな期待が持てますが、ベンチャー企業の資金調達には注意すべき点もあります。
例えば、新規の株式発行によって資金調達をする場合、株式が他人の手に渡る訳ですから、発行し過ぎると経営権を失う恐れがあります。(自社の持株比率が減っていくため)
エンジェル投資家やベンチャーキャピタルに経営権を握られてしまう可能性もあるため、発行済株式総数と議決権行使のボーダーライン・バランスを考えながら発行する必要があるでしょう。
必ず計画を立てる
前述した通り、無計画で資金調達を続けると経営破綻や経営権の喪失などの事態に陥りかねませんので、必ず事業計画を立てるとともに、どのように資金調達を図るのかを成長ステージにあわせて慎重に検討しましょう。
また、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルから出資を受ける場合、株主総会議事録や株式引き受けに関する書類等が必要になりますので、必ず企業法務に強い弁護士や司法書士からアドバイスを受けるようにしてください。
出資者の方が関連法令に詳しいケースが多く、不利な条件での出資を募ってしまう恐れもありますので注意が必要です。
資金調達はベンチャー企業が大きく成長するために必要なステップですが、資金を得るということは、果たさなければならない義務や差し出すものがあること理解しましょう。
どの成長段階でどれだけの資金調達を受けるかによって、経営や事業展開の難易度は大きく変わります。
自社に適した資金調達手段や資金調達相手を見定めるようにしてください。
起業してすぐでも資金調達はできる
会社法の改正によって資本金1円でも会社を設立できるようになりました。
また、インターネットの発達や普及によって、クラウドファンディングやエンジェル投資家からの出資など、初期費用を抑えた起業も可能となっています。
さらに、行政による支援や売掛金があればファクタリングを活用する等の選択肢もありますので、自社に合った方法を是非探してみてください。
ただし、安定かつ長期に亘って利益を出し続けるため若しくはビジネスチャンスを逃がさないためには、高額な事業資金にも対応できる調達方法も予め用意しておくことが望ましいでしょう。
銀行融資や制度融資をはじめ、ファクタリングや株式発行など、いざという時に利用可能な方法も探しておくことをお勧めいたします。