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支払いサイトと売上債権回転期間をやさしく解説

支払いサイトとファクタリングについて

請求書や電卓が並ぶ机

ファクタリングは、企業が保有している売掛金をファクタリング会社が買い取ることで事業資金の調達を図る金融取引です。
「事業資金の調達」だけではなく、支払いサイトの短縮・キャッシュフローの改善・オフバランス化など、ファクタリングには様々なメリットがあります。
今回は、ファクタリング取引と支払いサイトの関係、支払いサイトによる入金額の違いなどを解説・ご紹介してまいります。

支払いサイトとは

支払いサイトのイメージ

売掛金やファクタリングに関する説明で、よく「サイト」という単語が使われますが、これは一体何を意味する単語なのでしょうか。
一般的に、サイトとは「商品を販売・納品した後に代金の支払いがされるまでの期間」を指します。
サイトには30日・60日・90日などがあり、例えば30日であれば「締め日から代金の支払いまでの期間が30日」という意味です。(さらに具体的な例を挙げますと、当月末締め30日サイトであった場合、4/20に行った取引の代金は、5月末日に支払われるということになります。)
多くの中小企業が30日の支払いサイトを採用しておりますが、大手企業や大口取引が多い業種の場合、60日や90日を採用していることもあります。

ファクタリング手数料の増減

支払いサイトの違いはファクタリング取引にも少なからず影響を与えます。
例えば、支払いサイトが長くなればなるほど債務不履行のリスクが高くなってしまう(倒産のリスクが高くなる)ためファクタリング手数料は高くなります。
支払いサイトが長い取引ほどキャッシュフローが苦しくなりやすく、ファクタリングは高いパフォーマンスを発揮しますが、調達コストが見合っているのか・高い手数料を支払ってまでファクタリングをするべきなのかをしっかりと見定める必要があるでしょう。
なお、例外として、上場企業や公共団体のようにそもそも未回収リスクが低い等の事情がある場合には、支払いサイトが長くても手数料が少なくて済むことがあります。

ファクタリングの条件例

具体的にはどの程度の条件になるのか、売掛金1,000万円をファクタリングした場合の一般的な手数料例をご紹介します。
月末締め翌月末払いなら約30日後に支払われるため「30日サイト」となり、例えば1か月の売上を月末にまとめて計算して、翌月末までに支払うという取引条件です。
一方で、月末締めの翌々月払いなら、約60日後に支払われるので「60日サイト」の箇所をご確認ください。
なお、支払いサイトの起算日は一般的に「締め日」が用いられますが、ルール化されているわけではありませんので、ファクタリング会社側に事前確認するようにしましょう。

60日 90日 120日
手数料5% 82,191円 123,287円 164,383円
手数料10% 164,383円 246,575円 328,767円
手数料20% 328,767円 493,150円 657,634円

計算式は「(売掛金額×ファクタリング手数料)÷365日×支払いサイト日数」です。
このように支払いサイトの長さとファクタリング手数料は比例して増えてゆくため、支払いサイトが長ければ長いほど利用企業側に不利になります。
なお、支払いサイトによって掛け目が変わること(例えば売掛金の80%など)がありますので、手にできる金額がさらに下がる可能性も考えられます。
また、日本では商慣習上、3か月以上の支払いの場合には手形を用いますので、売掛金で取引するのであれば120日までというのが一般的です。
ご覧の通り、120日にもなると手数料だけで65万円以上の負担になってしまいますので、できればファクタリングは避けた方が良いでしょう。
なお、90日でも手数料は50万円近くになりますので、できれば60日程度までの支払いサイトの売掛金を利用することをお勧めいたします。

ファクタリングのメリット

FLOWと書かれたサイコロ

ファクタリングのメリットの一つとして「支払いサイトの短縮」が挙げられます。
万が一売掛金の回収が遅れてしまえば、仕入費用や人件費などの「必要な支払い」ができなくなってしまい、最悪の場合は黒字倒産を招くこともあります
売掛金を期日前に現金化できますので、キャッシュフローの早期改善が見込めると共に、支払いサイト期間中の倒産リスクも回避することが可能です。
利益が出ていてもキャッシュフローはしっかりと確保・管理するようにしてください。

さらに、ファクタリングのもう一つのメリットが「負債の部が増えない」という点です。
金融機関からの借り入れでも資金は増えますが、借入金が負債に計上されてしまうため、融資審査を控えている・公共団体へ入札をしている等、借入以外の方法を利用した方が良い場合もあります。
ファクタリングは資産を資産に振り替える(売掛金→現金預金)取引であるため、負債を増やさずにキャッシュを増やすことが可能です。

ファクタリングが組み込まれた取引も

反復継続して取引を依頼している又は商品やサービスを提供している企業が、手形のようにファクタリングを使用するケースも見られるようになりました。
例えば、大手ECサイトから運送業務を請け負い、さらに下請業者に配送を依頼している場合、予めファクタリング契約が組み込まれていることがあります。
簡単にいうと、期日前に売掛金を現金化したい場合、元請企業と提携しているファクタリング会社に手数料を支払い、下請業者に対して買取金額を支払うという仕組みです。
元請企業側もファクタリングの事実を承知しているため、実質的に3社間ファクタリングの形態となり、低手数料でファクタリングができるというメリットがあります。
また、債権者にとっては手形取引と同じ効果が得られる一方で、集金コストが掛からない・紛失リスクを軽減できるといった利点もあります。
円滑な業務運営を目指すためにも、これらのサービスも是非活用してみてはいかがでしょうか。

ファクタリングと回収サイトの関係まとめ

契約書

支払いサイトとファクタリングの条件は密接に関係しており、特に手数料に関しては手取り額に大きな影響を及ぼします。
上記の例で考えますと、支払いサイト60日・120日でファクタリング手数料10%の場合、16万円以上の差が生まれる計算です。
このように、支払いサイトが長ければ長いほど手数料は大きくなり、入金額が下がっていってしまうため、複数の売掛債権をお持ちであれば支払いサイトが短いものからファクタリングすることをお勧めいたします。
また、ファクタリングを想定し、取引先との契約時点で支払いサイトを短くしてもらうように交渉するのも一つの手です。
支払いサイトの短縮はファクタリング時のコストが小さくなると共に、キャッシュフローの悪化を防ぐことに繋がります。
様々な視点から起こり得る事態を想定し、リスクヘッジに努めましょう。

売上債権回転期間の概要と活用方法

時計を持つ女性

帳簿上は黒字であったとしても、キャッシュフローの悪化によって「債務不履行」「不渡り」などの危険性は十分に考えられます。
キャッシュフローの管理は企業経営の要であり、しっかりと把握・コントロールすることが重要なのは言うまでもないでしょう。
当ページでは、財務指標として利用されている「売上債権回転期間」の説明をはじめ、どのような指標なのか、どのように計算するのか等について分かりやすく解説いたします。

売上債権回転期間とは

財務状況をチェックするビジネスパーソン

売上債権回転期間とは、売上高に対する売上債権(売掛金や受取手形)の比率をあらわす指標のことです。
簡単に言うと「売上債権を回収するまでにかかる時間」を表しており、数値が小さければ小さいほど売上債権回転期間が短くなるため、売上債権を効率的に回収できているということになり、逆に数値が大きいと効率が悪いと判断されます。
なお「売上債権回転期間」は受取手形と売掛金をあわせた売上債権、「売掛金回転期間」の場合は文字通り売掛金のみでそれぞれ計算します。

売上債権回転期間の計算方法

売上債権回転期間は、年度で計算すると期間が長くなりすぎてわかりにくくなることがありますので「日単位」「月単位」で計算するのが一般的です。
売上債権回転日数及び売上債権回転月数の計算式は以下の通りです。

売上債権回転日数 売上債権÷(売上高÷365日)
売上債権回転月数 売上債権÷(売上高÷12ヶ月)

文字通り、売上債権回転日数は「何日で売掛債権を回収できるか」を示す指標で、売上債権回転月数は「何か月で売掛債権を回収できるか」を示す指標です。
業種によって適正な日数や月数が異なり、例えば現金取引がほどんどの個人向けの飲食店や宿泊施設などであれば回収までの期間は短くなりますが、卸売業や法人向けの事業では長くなるケースが多いと言えます。
月単位で見る場合、中小企業の場合は2か月を超えてくると資金繰りが苦しくなりやすいと言われておりますので、同期間を超える場合には注意を払うようにしてください。
また、売上債権回転日数の目安は一般的には30日以下と言われています。
前述したように業種や業態によって違いはありますが、資本効率や資金繰りについて改善できる部分がないか見直してみましょう。
もちろん、あくまで目安なので30日以下の水準に合致しない場合でも直ちに問題になるわけではありませんが、推移を継続的に分析することでリスクヘッジ(キャッシュフローの停滞を可視化できる)へと繋がります。

売上債権回転率の計算方法

また、少し分かりづらいのですが、単純な期間ではなく「有効性」によって表す指標もあります。
「売上債権回転率」はきちんと売掛金や受取手形が回収できているのかを表す指標で、高ければ高いほど有効性が高いと判断することが可能です。
逆に同数値が低いほど売上債権の回収が図れていないということになりますので、黒字倒産(利益があるのにキャッシュフローが停滞している)の可能性が高いと判断できます。
なお、売上債権回転率は以下の計算式で求めることができます。

売上債権回転率 売上高÷売上債権売上

例えば、売上高が100万円・受取手形や売掛金が20万円であった場合、売上債権回転率は「5(回転)」ということになります。
目安は業種によって大きく異なり、例えば建設業や運送業であれば「8~10回転」、現金取引が多い小売業では「15回転前後」、さらに個人向けのサービスである飲食業では「50回転前後」と、大きな幅が見られます。
一般的なビジネスの場合は6回転以上であれば比較的安全と言われておりますが、あくまでも目安にすぎず、業態や実態に合わせて判断する必要があるでしょう。

売上債権回転期間の改善方法

改善を図るビジネスパーソン

先ほども述べた通り目安を下回ったからといって必ずしも危険信号というわけではありませんが、定期的にチェックをしておくことで「以前よりもキャッシュフローが停滞している」と気付ける可能性が高まります。
もしも以前よりも数値が下がってきたと感じたら、改善に努めましょう。
数値改善の具体策としては「未回収の債権をきっちりと回収する」という点に尽きます。
業態や売上高が大きく変化していないのであれば、数値が悪化した理由は売掛金や受取手形の回収が滞っている可能性が高いためです。
特に取引先が増えると未回収に気づけない可能性がありますので、まずは売掛先及び売掛金額をしっかりと把握し、いつ・いくら入金予定なのかを管理するようにしてください。
未払いや支払い遅延が判明した際はできるだけスピーディーに対処し、万が一回収できなかった場合はすぐに取引を停止すると共に適切な会計処理を講じましょう。

買掛金の支払いサイトを変える

また、売上債権回転期間と同様に、債務の支払いまでの期間を示す「仕入債務回転期間」という指標もあります。
キャッシュフローが滞りやすい場合、収入と支出のタイミングがマッチしていない可能性がありますので、仕入債務回転期間を見直してみるというのも一つの手です。
資金繰りという観点だけみれば「仕入債務回転期間>売上債権回転期間」となるバランスが理想ですので、売掛金をキチンと回収しているのにキャッシュが回らないという方は是非こちらもチェックしてみてください。
ただし、こちらは仕入先との兼ね合い(相手方から見ればできるだけ早く現金を回収したいため)もありますので、しっかりと話し合って決める必要があります。

ファクタリングの活用

売上債権回転期間を短くするためには、売上債権を早い段階で現金化する必要がありますので、ファクタリングで早期現金化を図るというのも有効な対策です。
例えば、数値のボーダーラインをあらかじめ決めておき、同ラインに到達した場合にファクタリングで一部を現金化する等の対策を講じておけば、キャッシュフローの停滞を未然に防ぐことができます。
ただし、ファクタリングには手数料を要するため、使い過ぎには注意せねばなりません。
「つなぎ資金」という意識を持ち、あくまでも一時的なキャッシュフロー改善方法という点を忘れないようにしましょう。

アクセルジャパンアンバサダーヒロミ
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