給料ファクタリングは違法業者の可能性大!利用してしまったら弁護士に相談しよう

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ファクタリングは、売掛金を譲渡して資金調達する、企業向けのサービスとして知られています。一方で、個人向けの「給料ファクタリング」というサービスがあります。利用者は増加していますが、違法性の高いサービスです。今回は給料ファクタリングの仕組みや危険性について詳しく解説します。

給料ファクタリングの概要と仕組み

給料ファクタリングは、会社からの給料をもらえる権利を業者に譲渡して現金化できるサービスです。給料ファクタリングの利用者は、給料ファクタリング業者に一定の手数料を支払うことで、その場で現金を手に入れることができます。

例えば5万円の給料の権利を譲渡して、その場で4万円、3万円を受け取り、給料が支払われた後に業者へ5万円を返済するという形です。

そもそも「ファクタリング」というサービスは、企業が売掛金をファクタリング会社に譲渡して即時現金化するものです。

キャッシュフローの改善や突発的な支出への対応、資産のオフバランス化などが主な目的となります。給料ファクタリングは、このファクタリングを個人向けに落とし込んだものと考えていいでしょう。

>>給与ファクタリングとは?

給料ファクタリングの問題点

一件便利そうにも見える給料ファクタリングですが、実態は貸金業登録をしていない闇金が行う違法な貸金とほとんど変わらないケースが多いです。給料ファクタリングの危険性や問題点に詳しく見ていきましょう。

高額な手数料

給料ファクタリングは、総じて法外な手数料が課されます。例えば上記で紹介した「5万円の給料の権利を譲渡して、その場で4万円を受け取る」という状況を例に考えてみましょう。

これは給料ファクタリング業者の手数料としては安い方です。数字だけを見ると手数料率25%で許せる範囲にも感じますが、融資と比較するとその異常性がわかります。

この取引を融資として考えてみましょう。4万円を借入し、5万円(元本+利息1万円)を返済する契約ということになります。これが1カ月で上乗せされた利息だと考えると、年利は約300%にもなります。

現在の法律では、10万円未満の貸付に対する上限金利は年20%と定められており、実に上限金利の15倍もの利息を支払うことになるのです。

本質は闇金の貸付と同じ

給料ファクタリングを提供する業者は、どこも「ファクタリングだから貸付ではない」と主張しています。しかし、労働基準法によって、給料は必ず労働者に渡すことが法律上定められており、他者への権利譲渡ができません。ところが、給料ファクタリングは、実態として労働者が受け取った給料から必ず業者に返済するという形になるため、実質貸付と同じなのです。

そして、貸付業をするためには貸金業登録をしなければなりませんが、貸金業者としての登録を行っていないのであれば、実質は貸金業登録をしていない闇金の貸付と同じということになります。実際、違法な業者の中には反社会勢力が関与している給料ファクタリング業者もあるようで、苛烈な取り立てが行われることもあります。

実際に金融庁も、「給料ファクタリングは経済的には貸付と同じである」との見解を示しており、以下のように注意喚起を行っています。

いわゆる「給与ファクタリング」などと称して、業として、個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことは、貸金業に該当します(注)。

(注)貸金業法の解釈の詳細な内容については、以下の「一般的な法令解釈に係る書面照会手続」に掲載している文書をご参照願います。

 

【一般的な法令解釈に係る書面照会手続 照会文書】
https://www.fsa.go.jp/common/noact/ippankaitou/kashikin/02a.pdf

 

【一般的な法令解釈に係る書面照会手続 回答文書】
https://www.fsa.go.jp/common/noact/ippankaitou/kashikin/02b.pdf

 

貸金業登録を受けていないヤミ金融業者により、年利に換算すると数百~千数百%になるような法外な利息を支払わされたり、大声での恫喝や勤務先への連絡といった違法な取立ての被害を受けたりする危険性があります。

 

また、いわゆる「給与ファクタリング」の利用により、本来受け取る賃金よりも少ない金額しか受け取れなくなるため、経済的生活がかえって悪化し、生活が破綻するおそれがあります。

出典:給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!|金融庁HP

給料ファクタリングによる逮捕事例

実際に給料ファクタリング業者が逮捕された事例があるので、2件ご紹介します。

初の摘発事例

2020年7月、大阪府で「ブラックの方でも即日資金調達が可能」などとうたい給料ファクタリングを行っていた20代の男性が逮捕されています。関連会社含め、利用者は約2800人もいたとみられています。

参照:「給料ファクタリング」初摘発 業者の男女4人逮捕|日本経済新聞

同じく大阪での逮捕事例

2020年9月、大阪で給料ファクタリング業者を営んでいた30代男性が貸金業法違反で摘発されました。20代~40代の男性4人に対して29万円を貸し付けたとみられています。

参照:実質経営者か、男を逮捕 「給料ファクタリング」ヤミ金―大阪府警|JIJI.COM

違法な給料ファクタリング会社の見分け方

給料ファクタリングを名乗る業者のほとんどが違法だと考えられます。ここでは違法な業者かどうかのポイントをご紹介いたします。

※下記に該当する業者が実在するかは定かではありません

貸金業者として登録しているかチェック

金融庁の見解・東京地裁の判例で、「給料ファクタリングは貸金にあたる」と判断されています。そのため、給料ファクタリングを提供するためには貸金業者としての登録が必要です。まずは貸金業者として登録しているかをチェックしましょう。登録がない業者は闇金と考えて問題ありません。

 貸金業登録の有無は、金融庁ウェブサイト「登録貸金業者情報検索サービス」から検索することができます。

参照:金融庁(登録貸金業者情報検索サービス)

上限利息率をオーバーしていないかチェック

貸金業者として登録していたとしても、ファクタリング手数料が、利息制限法・出資法によって定められる上限金利をオーバーした取引は違法となります。民事上無効※になるうえ、貸金業者は刑事罰の対象になります。上限金利は、金額によって年15%~年20%(年利)です。手数料率を利息換算して、上限金利と照合してみてください。

※借主・貸主の合意があった場合も無効

信頼できる会社かチェック

仮に貸金業者として登録しており、上限金利内で給料ファクタリングを行っていたとしても、その業者が信頼できるかどうかは別途リサーチする必要があります。

ホームページに書かれている内容が嘘という可能性もゼロではありません。下記を確認し、実在する企業か・悪評が立っていないか必ず確認しましょう。

・運営会社
・所在地
・電話番号
・登記情報

なお、ホームページがキレイだと「しっかりと運営されていそう」とつい安心してしまいますが、サイトの見栄えと実態は一切関係ありません。見栄えではなく中身をきちんと確認するようにしましょう。

給料ファクタリングで困っているなら弁護士に相談を

既に給料ファクタリングを利用してしまった、取り立てにあって困っているという方は、まずは弁護士へ相談するのがおすすめです。上記の通り給料ファクタリングは違法行為である可能性が高く、法律の専門家に協力を仰ぐのが最も良い選択です。

返済が不要になる

闇金から借り入れたお金は、元本・利息共に返済義務はありません。闇金の超高利での貸金は、民法の公序良俗に反する行為に該当し、無効となります。

そのため利息の返済義務がありません。また、闇金の貸付は不法原因給付にも該当するため、元金の返済義務もなくなります。

給料ファクタリングも闇金の一種であるため、基本的には元利ともに返済の必要はありませんが、反社会的組織にたてつくことに恐怖心を抱く人は多いでしょう。弁護士に相談すれば、その後の適切な措置を教えてくれますし、法律で守ってくれるため安心です。

苛烈な取り立てから守ってもらえる

給料ファクタリング会社は、苛烈な取り立てをしてくる場合があります。脅迫めいた電話や自宅・会社への執拗な電話、その他嫌がらせなど、これらのせいで精神的に参ってしまう人も少なくありません。

違法な業者からの取立てで悩んでいる場合には、警察へ相談するとともに闇金への対応経験が豊富な弁護士に依頼すれば、適切な手段で解決に導いてくれます。

支払ったお金が戻ってくる可能性がある

すでに給料ファクタリング会社に返済をしてしまった場合、弁護士に相談すると支払ったお金が返ってくるケースもあります。状況によって難易度が異なるため、すべてのケースで返還されるとは限りませんが、一度相談してみる価値はあるでしょう。