ファクタリング会社へ過払い金の返還請求ができるケースとその方法

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「払いすぎた利息が返ってくる」とTVCMなどで放送され、広く知られるようになった過払い金の返還請求。

これは実際に支払う必要がなかった金利(上限金利を超えるもの)が返還されるというものです。

ファクタリングは融資ではないため上限金利が存在せず、返還請求が原則できません。ただし、例外的に可能な場合もあります。

今回はファクタリングで返還請求ができない理由や、返還請求ができる条件について詳しく解説します。

合法のファクタリングでは返還請求できない

ファクタリングは融資ではないため、出資法や利息制限法の上限金利が適用されません。そのため、そもそも過払い金が存在せず、返還請求もできません。

実際に、平成27年にファクタリングを利用した企業が、利息制限法の上限を越える部分の手数料について返還を求める訴えを起こしました。

ファクタリングが売掛債権の売買なのか、貸金なのかという点が争われた結果、ファクタリングの契約書に「売買」の文字があり、「同意のもとでの契約なので過払い金の返還は認められない」という判決が出されました。

この裁判では、ファクタリング会社に償還請求権がない契約(売掛債権を回収できなかった場合のリスクをファクタリング会社が負う契約)であった点も重視されました。

ファクタリングは融資ではないため、手数料を利息換算すると上限金利を超えることもありますが、違法性がない場合での契約は有効となります。

返還請求が認められるファクタリング取引とは

ファクタリングは利息制限法や出資法の規制を受けることはありません。しかし、利息制限法が類推適用されるなど、返金が認められた裁判例もあります。

返還請求が認められるファクタリング取引にはどのようなものがあるのでしょうか。

契約書がない

返還請求が認められるかどうかのポイントの一つが契約書です。契約書が存在していない場合、その契約が実態として金銭消費貸借契約であると判断されることがあります。

特に2社間ファクタリングの場合は、売掛債権を担保に金銭を借りていることと経済的に違いがないと判断される場合があります。

手数料が著しく高い

ファクタリングの契約書が売買取引となっていたとしても、あまりに高い手数料を支払っている場合には返還請求が認められることがあります。

実態として毎月数十%の手数料や利息を支払えば、売買取引の名を使った金銭消費貸借契約と判断されるかもしれません。

利息制限法の上限金利は高くても20%。それを超えるような手数料が生じる契約を何度も繰り返しているといった場合は、裁判所も金銭消費貸借契約だと判断することがあります。

償還請求権がある

償還請求権がある契約は、売掛債権が不良債権になった場合に、債権者が債務者に変わってファクタリング会社へ弁済しなければなりません。

償還請求権があることによって、ファクタリング会社はノーリスクで資金を拠出することができます。

返還請求が認められなかった判例では、「売買取引であるなら未回収になった場合のリスクをファクタリング会社が負わなければならない」としてます。

つまり、償還請求権があるファクタリング契約は、返還請求が認められる可能性があるということです。

給料ファクタリングの過払い金も返金を受けられる

ファクタリングには、買取ファクタリング・保証ファクタリング・国際ファクタリングなど様々な種類があります。

中には給料ファクタリングという言葉を聞いてことがある人もいるでしょう。

給料ファクタリングを利用していた場合は、過払い金の返金が受けられます。給料ファクタリングの仕組みや返金について知っておきましょう。

給料ファクタリングとは

給料ファクタリングとは、給料を受け取る権利を売買する個人向けのファクタリングです。

ファクタリングの仕組みを利用して、個人の給料を債権とみなしてファクタリング業者に買い取ってもらいます。

「給料を即日で現金化」「借金ではないから利息もかからない」といったうたい文句で、最短即日で現金化可能・24時間対応のファクタリング会社もあらわれました。

確かに借金ではありませんし、スピーディーに資金調達できることも事実ですが、非常に高い利息が設定されていることが多く、短期的にお金が手に入っても将来的にはさらなる資金不足になる危険性が高いです。

売買契約だから借金ではないという安心感から利用する人も多く、社会問題として取り上げられたこともあります。

給料ファクタリングは違法!契約は無効

法的にグレーな状態が続いた給料ファクタリングですが、金融庁は2020年3月5日に給料ファクタリングについて、「給料ファクタリングという仕組みは認められず、貸金業に該当する」と回答しました。

したがって貸金業登録をしていない給料ファクタリング業者は違法であり、上限金利も適用されると考えられます。

第156回国会ではヤミ金融対策法(貸金業規制法及び出資法の一部改正法)が成立。

改正によって悪質な業者への取り締まりが強められたほか、年109.5%を超える利息の貸付契約の無効化が定められました。

参考:ヤミ金融対策法が成立しました|金融庁

登録業者・無登録業者に関係なく、年109.5%を超える利息での貸付契約した場合、その契約は無効で利息については一切支払う必要がありません。

さらに令和2年には、給料ファクタリングが貸金業に該当する、貸金業法、出資法違反で契約無効、刑事罰の対象となる判決がくだされました。

以下は給料ファクタリングで貸し付けを行っていた業者が逮捕された事例です。

悪質なファクタリング会社の被害に遭ったら弁護士へ相談

ファクタリング自体は利便性が高い資金調達手段ですが、その仕組みを利用した悪質な業者には注意しなければいけません。

ファクタリング被害に遭った時は、弁護士や専門家に相談してください。

ファクタリングの案件に強い弁護士を選ぼう

悪質なファクタリングの被害に遭った場合、できるだけファクタリングや金融の案件に強い弁護士を選ぶようにしましょう。

法律はそれぞれ専門性が高く、改正や社会情勢の変化も起こります。

同じ弁護士であっても得意分野は違うため、取扱分野にファクタリングがあるかどうか確認してから依頼するようにしてください。

司法書士よりも弁護士への相談がおすすめ

ファクタリングに関する案件は、弁護士や司法書士に相談できます。一般的には司法書士のほうが費用が安いといわれていますが、ケースバイケースです。

なお140万円を超えるファクタリング契約の場合は、司法書士は取り扱うことができません。

まずは問い合わせや見積もりをとってから依頼する専門家を決めましょう。

ファクタリングの過払い金返還請求まとめ

ファクタリングは融資とは異なるため、合法的な契約の場合過払い金請求はできません。

しかし、契約書がない、償還請求権があるといったケースでは返還請求が認められる場合もあります。

また、給料ファクタリングについては違法性が高く、実際に契約無効となった判例もあります。

悪質なファクタリング業者につかまらないよう注意し、困ったときは法律の専門家に相談するようにしてください。