建設業者がファクタリングを利用するメリット

カテゴリー
ファクタリング

ファクタリングは様々な業種で利用される資金調達方法ですが、なかでも建設業者の利用率が高いのが特徴です。ファクタリング契約全体の30%~40%は建設業ともいわれています。今回は、なぜ建設業者にファクタリングが利用されているのか、活用事例やファクタリング業者を選ぶポイントを解説します。

建設業者がファクタリングを利用する理由

まず、建設業者にファクタリングが利用されやすい業界的な背景と、融資ではなくファクタリングが選ばれる理由について解説します。

建設業でファクタリングが利用されやすい背景

建設業者にファクタリングが利用される背景には、業界ならではの理由があります。建設業の特性からファクタリングが利用される理由を見ていきましょう。

入金サイトが非常に長い

締め日から売掛金が支払われるまでの期間を「入金サイト」と言います。建設業は入金サイトが非常に長い業種です。締め日から入金日まで2ヵ月~4カ月ほどかかることもあります。さらに、建設業では完工後にまとめて入金としている場合が多く、特に大手のゼネコンが元請となっている場合、100%後払いになることも珍しくありません。建設業は一つの現場に長期間を要することが多いため、着工から起算すると、入金までに半年~1年程度かかってしまうこともあります。

その間にかかる人件費や材料費、外注費、重機のリース代などは、すべて自社での立て替えです。立て替えに当たって、立て替える額の大きさが問題になります。建設業は、1件の取引の規模が大きいため、費用も高額になり、そのせいでキャッシュフローが悪くなりやすいのです。また、工事完了後すぐに別の仕事が入れば、ひとつ前の仕事の売上が入金される前に支出が生じ、キャッシュフローがさらに圧迫されます。

こういった背景から、建設業は一つの仕事に取り組むために多額のキャッシュが必要になります。そのため、工事にかかる諸費用を工面するための資金調達にファクタリングが利用されるというわけです。

手形取引が多かった名残

もともと建設業界は、取引に手形を用いることが多い業種でした。建設業は昔から入金サイトが長く、それにより資金繰りに頭を悩ませる企業が多かったため、裏書譲渡などで早期に資金調達できる手形取引が重宝されてきたのです。

ファクタリングは債権の譲渡という性質上、融資よりも手形の裏書譲渡に近い手法です。そのため、もともと手形取引が主流であった建設業にマッチしやすかったという背景があります。また、ファクタリングは手形取引と違い、印紙税がかからず債務不履行になるリスクもありません。さらに手間も削減できるとあって、手形より便利な方法として建設業で広まっているのです。

融資と比較したファクタリングのメリット

多くの方が資金調達方法として初めに思い浮かぶのは「融資」ではないでしょうか?なぜ建設業では融資ではなくファクタリングが利用されているのか、ファクタリングの融資に比べて優れている点を解説します。

元請会社の倒産リスクを回避できる

融資を受けた場合、返済の義務が生じます。そのため、融資を受けた後に取引先が倒産し、売掛金が回収できなくなった場合も、借り入れた金額+利息の返済はしなければなりません。

一方ファクタリングは、取引先が倒産した場合の返済義務が生じないのが特徴です。ファクタリングは売掛債権譲渡の契約であり、譲渡する中には売掛先の倒産リスクも含まれています。そのため、万が一売掛先が倒産した場合も、肩代わりする必要はありません。

建設業は1件ごとの取引規模が大きいため、1件の回収不能が大きなダメージになります。回収不能リスクが回避できる点はファクタリングの大きなメリットです。

融資よりも早期の資金調達が可能

ファクタリングは、融資に比べて現金化(資金調達)までの時間が早いのが特徴です。融資は審査に時間が掛かるため、申請から融資までに1週間~1カ月程度かかるのが一般的です。

一方ファクタリングは、最短即日で資金調達できる場合もあります。資金調達までのスピード感を求めるなら、融資よりもファクタリングの方が優秀です。

審査が融資に比べて通りやすい

審査基準自体も、融資より通りやすいのがファクタリングの特徴です。そもそもファクタリングで審査されるのは、自社の経営状態ではありません。主に審査されるのは売掛先の経営状態です。これは、売掛先の経営状態が問題なければ、回収できる可能性が高いと判断されるためです。

仮に自社の経営状態が赤字であったり、負債が多かったりする場合でも資金調達が可能です。建設業は、経営状態が良好な企業と継続的に取引するケースが多いため、ファクタリングと相性が良いといえます。

負債が増加しない

融資を受けた場合、帳簿上融資を受けた分だけ「借入金」という負債勘定が増えることになります。負債が多い企業は経営状態が悪いと判断され、その後の融資が受けにくくなる可能性があります。

ファクタリングは、売掛金が減り現金が増えるだけで、負債は増えない取引になります※。その後の融資を考えた場合でもメリットの大きい手法です。

※ファクタリングの手数料は費用として計上します

優良ファクタリング業者を選ぶポイント

建設業にとってメリットの多いファクタリングですが、業者選びには注意が必要です。まだ新しい資金調達の方法なので、中には悪質な業者もいます。優良なファクタリング業者を見極めるためのポイントを紹介します。

ファクタリング手数料

ファクタリングには、譲渡する債権の額に応じた手数料率が設定されています。

建設業で一般的に利用される3社間ファクタリングの手数料は1%~5%で、詳細は業者によって異なります。そのため、ファクタリングを利用する前に、複数の業者を比較して手数料の安いところを選ぶのがポイントです。

建設業ではファクタリングする金額も大きくなるため、1%の違いでも大きな差になります。しっかりと比較検討しましょう。

買取限度額

ファクタリング会社は、それぞれ買取限度額を設けています。中小規模のファクタリング会社であれば1000万円~数千万円程度、大規模なファクタリング会社であれば数億円までの買取に対応しています。

特に銀行系ファクタリング会社は資金力があるため、買取限度額も高く設定されています。自社で現金化したい債権額が、ファクタリング会社の買取限度額内に収まるか必ず確認しましょう。

現金化までのスピード

上記で「最短即日での現金化が可能」と説明しましたが、現金化までのスピードは会社によって異なります。

一般的には2社間ファクタリングであれば即日~2日、3社間ファクタリングであれば3日~1週間程度かかり、実際にかかる時間は業者によって異なります。緊急度に応じてファクタリング会社を選ぶようにしましょう。

そもそも信頼できる企業かどうか確認

ファクタリングは資金調達方法としてまだ歴史が浅く、そのため法整備が追い付いていない現状があります。

例えば銀行法・貸金業法などでは、消費者が不利益を被らないための法整備がしっかり整っていますが、ファクタリングは「ファクタリング法」などの専門の法律がありません。そのため、ファクタリング会社の信頼度が大切になります。

信頼できる会社を見分けるためには、以下を必ず確認しましょう。
・代表者名
・所在地
・電話番号
・資本金

これらがホームページに記載されており、実在する企業なのであればある程度は安心できるでしょう。併せて口コミで悪評が立っていないかも確認してみてください。