売掛金の仕訳を徹底解説!回収や入金の仕訳例をご紹介

売掛金の仕訳を徹底解説!回収や入金の仕訳例をご紹介

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資金繰り

売掛金は、掛け(ツケ)での売上が発生した場合、資産として計上される勘定科目です。今回は、経理や簿記知識があまりない人にもわかりやすく、売掛金に関する仕訳例をケース別にまとめました。

なお売掛金についてよくわからないという方は、下記のページで詳しく解説しているので参考にしてください。

売掛金の勘定科目を使うケース

売掛金は、以下のような状況で仕訳に登場する勘定科目です。

  • ・売上の発生
  • ・売掛金の回収
  • ・返品の発生
  • ・値引きの発生
  • ・貸倒れ
  • ・買掛金との相殺

まず、掛け取引で売上が発生した場合、「将来お金を受け取れる権利」として計上されます。その後、振込み等があった場合には消込む仕訳を行います。

通常の仕訳の流れは上記2つのみですが、返品・値引き・貸倒れ・相殺など、特殊なケースで売掛金が減った場合もそれぞれ処理が必要です。

売掛金に関する仕訳一覧

売掛金に関する仕訳一覧

以下では、具体的に売掛金が登場する仕訳を紹介しています。

売掛金の発生に関する仕訳

売掛金の仕訳として、まずは発生時の仕訳を見ていきましょう。売掛金の処理は①売上②入金の確認③消込で進みます。

売掛金の発生は①売上の部分です。

掛売上が発生した際の仕訳

【事例1】

商品50,000円を売り上げた。支払いはスマホ決済でおこなう。

借方 貸方
売掛金 50,000 売上 50,000

売上の計上は商品やサービスの提供をおこなったタイミングでおこないます。売上計上には、商品を出荷した日を売上とする出荷基準や引き渡し日とする引き渡し基準、検収を受けた日で計上する検収基準等があります。事業の内容や性質に合わせて選択してください。

なお、近年は現金の取引やクレジット以外にスマホ決済を選ぶ人が増えてきましたが、スマホ決済も売掛金で同様に処理します。入金方法を後から確認できるように、摘要欄にスマホ決済である旨を記載してください。

クレジットでの掛売上が発生した際の仕訳

【事例2】

クレジット支払いで商品50,000円を売り上げた。

借方 貸方
クレジット売掛金 50,000 売上 50,000

クレジット払いで生じた売掛金は、顧客や取引先でなく信販会社に対する債権として扱います。そのため、通常の売掛金勘定ではなく「クレジット売掛金」勘定で計上すると区別しやすくなります。クレジットの使用に対して手数料がかかる場合には、支払手数料を計上します。

消費税を含む掛売上が発生した際の仕訳

【事例3】

商品55,000円(内消費税5,000円)を売り上げた。支払いは掛けとする。

借方 貸方
売掛金 55,000 売上 50,000
仮受消費税 5,000

受け取った代金に消費税が含まれている場合には、消費税は売上に含めずに仮受消費税に計上します。仮受消費税は、仕入等で支払っている仮払消費税と相殺して、納税します。

売掛金の回収・入金に関する仕訳

売掛金が入金された場合消し込み処理を行います。借方に資産として計上した売掛金を、貸方に計上して減らす仕訳です。実際にどのような仕訳になるのか見ていきましょう。

売掛金の入金があった際の仕訳

【事例4】

売掛金50,000円が普通預金に入金された。

借方 貸方
普通預金 50,000 売掛金 50,000

売掛金の入金があった場合には、貸方に売掛金を計上して消し込む処理をおこないます。

一部入金される場合もありますが、その場合でも仕訳自体は同様です。売掛金の消込みは、かならずどの売掛金の支払いかを確認してからおこなうようにしましょう。

補助科目に【売掛金/A社】といった形で入力すると、取引先各社の売掛金残高がわかるようになり混乱しにくくなります。

売掛金を現金・小切手で回収した場合の仕訳

【事例5】

売掛金50,000円が小切手で入金された。

借方 貸方
現金 50,000 売掛金 50,000

売掛金は小切手で支払われることもあります。受け取った小切手は、会計上現金と同じものとみなすため、現金で仕訳します。

また、実務上受け取った小切手はすぐに銀行に持ち込むため、当座預金に入金されるまでの期間が短い時には現金で仕訳することなく、省略して当座預金で計上することもあります。

振込み手数料が差し引かれる入金の仕訳

【事例6】

売掛金50,000円が普通預金に入金された。振込手数料は自社負担とする

借方 貸方
現金 49,500 売掛金 50,000
支払手数料 500

入金にかかる振込手数料が自社負担の場合、振込金額から手数料を差し引いて入金されるので、支払手数料で記帳してください。

取引先が手数料を負担する場合には、自社側では手数料を計上しません。入金額をそのまま処理します。

その他の売掛金に関する仕訳

売掛金は発生してから回収までスムーズに進むとは限りません。さまざまな売掛金にかかわる仕訳を紹介します。

売掛金の未回収(貸倒れ)が発生した場合の仕訳

【事例7】

会社更生法の決定によって、取引先に対する売掛金100万円が回収不可能となった。

借方 貸方
貸倒損失 1,000,000 売掛金 1,000,000

取引先の倒産で債権を回収できなくなった場合には、貸倒損失を計上します。貸倒引当金を計上していた場合には、貸倒引当金を取り崩します。

売掛金が回収不能になった場合の処理については、下記ページで詳しく紹介しています。

売掛金と買掛金を相殺した場合の仕訳

【事例8】

当社がA社に持つ売掛金100万円を、A社が当社に持つ買掛金100万円と相殺した。

借方 貸方
買掛金 1,000,000 売掛金 1,000,000

売掛先に当社宛ての買掛金がある場合には、双方の了承の下で相殺することが可能です。ただし、後から混乱を招かないように摘要欄に相殺したと記載しておくようにしてください。

売掛金と買掛金の計上については、下記ページでも解説しています。

返品が発生した場合の仕訳

【事例9】

商品50,000円が返品された。売掛金から差し引いて処理する

借方 貸方
売上 50,000 売掛金 50,000

商品が返品になった場合には、売上を減らすか、売上戻りとして処理します。
会社で採用している会計処理の方法によっても異なるので、確認してから処理しましょう。

個人事業主のみに生じる売掛金の仕訳

売掛金の中には、個人事業主特有の仕訳もあります。どのような仕訳があるのか紹介します。

売上から源泉徴収された際の仕訳

【事例10】

取引先から売掛金108,000円から源泉徴収10,200円を差し引いて支払いを受けた。

借方 貸方
普通預金 97,800 売掛金 108,000
事業主貸 10,200

源泉徴収といえば会社員の給与所得がよく知られていますが、青色申告の個人事業主も取引先から支払いを受けた場合に、所得税を源泉徴収される場合があります。
この場合は租税公課ではなく、事業主貸で処理します。

所得税は、事業主個人から支払われるものです。ここでは、売掛金から差し引かれているため、事業資金から支払ったとみなして事業主貸の勘定科目で処理します。

他の個人事業主と売上を折半する場合の仕訳

【事例11】

共同で引き受けたサービスに対する売掛金100,000を計上する。売上は提携先と折半して、売上の入金は当社が全額受け取ってから提携先に入金する。

【売上時】

借方 貸方
売掛金 100,000 売上 50,000
預り金 50,000

【入金時】

借方 貸方
普通預金 50,000 売掛金 100,000
預り金 50,000

提携先と折半している場合には、提携先に渡す金額を預り金で処理します。

売掛金は仕訳時借方・貸方どちらに入れる?

売掛金で混乱しがちなのが、借方と貸方のどちらに入れるかです。混乱した時には貸借対照表をイメージしてください。

 

借方 貸方
資産 負債
純資産

貸借対照表では、資産は借方に計上されます。売掛金は資産の勘定科目なので、増加する場合(掛売上の発生)では借方、減少する場合(入金・貸倒れなど)の場合は貸方に入れる仕訳をすると理解しておくと、処理するときに間違いにくくなります。

 

売掛金の仕訳まとめ

売掛金の仕訳は理屈を理解しておけば、難しいことはありません。ビジネスではさまざまなケースが発生するため、仕訳に困ってしまうこともあるでしょう。基本の形と考え方を理解して、対応するようにしてください。