売掛金と未収入金(未収金)の違いとは?それぞれの仕訳を詳しく解説!

カテゴリー
会計

勘定科目の中には、わかりにくい言葉や似ている単語もたくさんあります。

その中でも疑問が生じやすく違いを説明しにくいのが、「売掛金」と「未収入金」の違いです。

今回はこの2つの勘定科目がどのように違うのか詳しく解説します。

売掛金と未収入金の違い

勘定科目には意味が似ているものが多く、特に売掛金と未収入金は勘違いしやすい言葉です。

売掛金と未収入金はどちらも資産であり、「あとから支払ってもらうお金」という意味では同じです。

この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。

売掛金

売掛金は、事業としておこなった取引で生じた未回収の債権を指す言葉です。

製品の製造販売やサービスの提供といった、その企業のメインの営業活動から生じた債権のことを売掛金と呼びます。

例えば、酒屋さんが居酒屋にお酒を販売して、代金をあとから受け取る場合には売掛金勘定を使います。

「本業で生じた債権は売掛金」と覚えておきましょう。

売掛金について詳しくは、下記の記事で詳しく解説しています。

未収入金

売掛金に対して、未収入金はメインの営業活動とは違う取引で発生する債権に使う勘定科目です。

例えば、上記と同じく酒屋さんが有価証券や固定資産を売却して債権が発生した場合、未収入金を使用します。

「副業で生じた債権は未収入金」と覚えておくといいでしょう。

補足:一部業種では売掛金を未収入金で処理するケースがある

上記の通り、売掛金と未収金を分けるポイントは、それがメインの事業から発生したものであるかどうかです。

ただし例外として、建設業など一部の業種ではメインの事業で生じた債権であっても、売掛金ではなく未収入金を使う場合があります。

例えば、「営業未収入金」や「完成工事未収入金」といった勘定科目が使われます。

これらはあくまで表記上「未収入金」を使ってはいますが、実質的には売掛金と変わりません。

勘定科目を分ける理由

未収金と売掛金は両方とも代金を受け取る権利を指します。

そのため、「どちらでもいいのではないか」「区別しなければならないのはなぜ?」と感じる人もいるかもしれません。

売掛金と未収入金を区別するのは、それが会社の営業活動(商品の売買)で生じたお金かそれ以外かを区別して、お金の流れや本業の利益を明確にするためです。

酒屋さんが車を売却したとしても売上として処理することはできませんが、中古車販売店であれば売上として扱います。

同じものを販売したとしてもお金の意味合いが違うため、勘定科目で区別して表示しています。

債権が発生した際は、正しい勘定科目に振り分けるよう仕訳をしてください。

売掛金と未収入金の仕訳

売掛金も未収入金も頻繁に登場する勘定科目です。どのようなケースで出てくるのか、どのように処理するのか仕訳についてまとめました。

売掛金の仕訳

売掛金は計上時だけではなく、入金されたときの消込時も仕訳が必要です。この2つの仕訳方法を解説します。

売掛金発生時の仕訳

【例①】

商品を販売し100,000円売り上げた。代金の支払いは後日とした。

【仕訳】

借方 貸方 摘要
勘定科目 金額 勘定科目 金額
売掛金 100,000 売上 100,000 商品売上

商品を売り上げたときには、貸方に収益である売上を計上し、借方は資産である売掛金が計上されます。

売掛金回収時の仕訳

【例②】

売掛金100,000円が、普通預金に入金された。

【仕訳】

借方 貸方 摘要
勘定科目 金額 勘定科目 金額
普通預金 100,000 売掛金 100,000 売掛金回収

売掛金が回収されたら消込処理をおこないます。売掛金を貸方、普通預金を借方に計上します。

未収入金の仕訳

未収金は土地や固定資産の売買等の場面でよく出てくる勘定科目です。

計上、入金されてから消込する流れは売掛金と同様です。どのように処理すればよいのか、仕訳を紹介します。

未収入金発生時の仕訳

【例③】

備品100,000円を80,000円で売却した。支払いは後日とする。

【仕訳】

借方 貸方 摘要
勘定科目 金額 勘定科目 金額
未収入金 80,000 備品 100,000 備品売却
備品売却損 20,000

備品を売却した代金は、未収入金か未収金で処理します。この場合は、備品を売却して損が出ているため、売却損も計上します。

もしも高く売れていた場合には、貸方に売却益を計上します。

未収入金回収時の仕訳

【例④】

備品の売却代金について普通預金に支払いがあった。

【仕訳】

借方 貸方 摘要
勘定科目 金額 勘定科目 金額
普通預金 80,000 未収入金 80,000 未収入金回収

未収入金が振り込まれたときには、貸方に未収入金を計上して消込をおこないます。

「長期未収入金」勘定を使用するケース

未収入金の中には、回収までの期間が1年を超えるケースもあります。

この場合には、長期未収入金勘定を使います。未収金は流動資産であるのに対して、長期未収入金は固定資産です。

決算から回収までの期間が1年を超えるときに固定資産とするルールは、「1年基準」もしくは「ワン・イヤー・ルール」と呼ばれます。

売掛金と未収入金の違いまとめ

売掛金と未収入金は、あとからお金を受け取る権利を表す勘定科目という点では共通しています。

しかし、発生したのがメインの事業からなのか事業に関わらない部門からなのか、によってどちらを使うのかが変わります。

売掛金と未収入金の区別は、その企業の経営状況や財務状況を適切に把握するためにも重要な意味があります。

企業分析を適切にして経営判断をするためにも正しく仕訳するようにしてください。